マカオ、新型コロナワクチン接種でミス発生…1回目と2回目で異なる種類を接種

 マカオでは、2月9日から高リスク群を対象とした新型コロナワクチンの接種がスタートした。

 その後、同月22日から接種対象が全マカオ居民(マカオ居民IDカード保有者)へ、3月9日からマカオで就労する海外労働者やマカオの学校に通う非居民の学生らへ、4月9日からは海外労働やの家族、領事職員、就労ビザが切れたものの帰国できず滞在している人など上記以外の合法的常住者(過去6ヶ月内の過半をマカオに滞在した上で条件を満たした場合)へも拡大されている。

 現在、マカオで使われているワクチンは中国医薬集団(シノファーム)製の不活化ワクチン(中国製)と中国の復星医薬が代理となるドイツ・ビオンテック製のmRNAワクチン「Comirnaty」(ドイツ製)の2種。接種希望者は2つのワクチンの中から自由に選択することができる。いずれもおよそ1ヶ月間隔で2回の接種が必要になるもの。

 マカオ政府衛生局(SSM)は4月9日夜、新型コロナワクチン接種に訪れた市民の男性1人に対し、2種類の異なるワクチンを接種するミスが発生したと発表。

 当該男性は3月11日にタイパ島の公立クリニックで1回目としてシノファーム製のワクチンを接種。マカオでは、SSMの特設サイトからネット予約をする形式を採用している。男性は2回目の接種予約を行う際にビオンテック製を選択し、4月9日に同じクリニックを再訪し、ビオンテック製ワクチンの接種を受けたとのこと。SSMの調査で、男性が2回目の予約をする際、システムが自動的に1回目にシノファーム製の接種を受けたとする情報を表示したが、男性が自らビオンテック製に変更した上で2回目の接種予約を行なっていたことが判明。2回目の接種完了後に医療スタッフが相違に気づいたという。男性に体調不良などはなく、医療スタッフによる検査の後、健康状態も異常なしだったが、経過観察を行う手はずを整えたとしている。

 SSMでは、同様の事案が発生しないよう、すでに予約システムの改修を終え、予約者による接種記録の変更に制限をかけたことも明らかにした。

 SSMによれば、異なる種類のワクチンを接種したとしても副作用が増加したり、最終的な効果に影響する華道家についての情報はないが、各地の衛生当局では、今回のような場合に3回目のワクチン接種は必要ないとしているとのこと。

 マカオでは、ワクチン接種は希望者のみを対象としている。費用はマカオ居民、マカオで就労する海外労働者、マカオの学校に通う学生は無償、その他は1回あたり250マカオパタカ(日本円換算:約3400円)となる。

 4月9日までのマカオにおける新型コロナの感染確認数は累計49人。内訳は域外からの輸入性が47人、輸入関連性事案が2人。市中感染例は376日連続ゼロを維持しており、封じ込めに成功している状況。院内感染、死亡例についてもゼロ。

ビオンテック製のmRNAワクチンの接種を受けるマカオ居民(資料)=2021年3月3日(写真:マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センター)

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオ・コタイ地区にある統合型リゾート(IR)グランドリスボアパレス(上葡京)で4月22日、世界…
  2.  マカオの統合型リゾート(IR)運営企業SJMリゾーツ社は4月22日、マカオ特別行政区の成立25周…
  3.  マカオ政府統計センサス局(DSEC)は4月22日、今年(2024年)3月及び1〜3月累計の訪マカ…
  4.  マカオを中心にアジア、欧州で統合型リゾート(IR)施設の開発・所有・運営を行うメルコリゾーツ&エ…
  5.  マカオ治安警察局は4月21日、自動車の運転者と歩行者の安全を確保するため、マカオ域内の各所でキッ…

ピックアップ記事

  1.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  2.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  3.  マカオ国際空港を本拠地とするマカオ航空(NX)が福岡便の運航を(2024年)7月12日から再開す…
  4.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  5.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…

注目記事

  1.  香港国際空港の制限エリア内にある「スカイピア」と港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設との間を港…
  2.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  3.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  4.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  5.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年4月号
(vol.130)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun