マカオ、インバンド旅客数が再び回復傾向に…広東省での新型コロナ再流行終息受け水際措置緩和で

 マカオ政府旅遊局(MGTO)は7月19日、同月16と17日のインバウンド旅客数がそれぞれ3万3000人(延べ、以下同)と3万4000人を記録し、5月28日以来となる単日3万人台を回復したと発表。

 マカオと中国本土の間では、昨年(2020年)第4四半期までに往来制限が緩和され、直近7日以内の新型コロナPCR検査陰性証明の提示など一定の条件を満たせば隔離検疫免除で相互往来が可能となったことで、今年5月にかけてインバウンド旅客の緩やかな回復が進んだ。

 ただし、中国本土では再流行が散発的に発生しており、状況に応じて「中リスク地域」指定が行われ、これに該当する地域からマカオへ入境する場合には、隔離検疫を必要とするなどの措置が講じられる。

 今年5月下旬、マカオに隣接する広東省で再流行が発生。感染力の強いデルタ変異株の流行で、広州市と仏山市の広い範囲のほか、深セン市の一部などが中リスク地域に指定されたほか、省内の中リスク地域以外からの入境者についても、PCR検査陰性証明の有効期間が7日以内から48時間以内へと大幅に短縮された。これら水際措置の強化により、インバウンド旅客数は大きく減少。ただし、6月末になって広東省における再流行は終息。7月10日までに同省内の中リスク指定はすべて解除となり、PCR検査の有効期限も7日間へと戻された。

 MGTOでは、広東省における状況が安定し、水際措置の緩和が進んだことで、インバウンド旅客数が回復傾向に転じたとの見方を示した。

 また、マカオのホテル客室稼働率についても明確に改善の兆しが見受けられ、7月1〜15日の平均客室稼働率は52.1%で、6月の平均(43.7%)から8.4ポイント上昇したとのこと。

 マカオの年間訪マカオ外客数(インバウンド旅客数)は一昨年には3940万6181人に上ったが、昨年(2020年)は対前年85.0%減の589万6848人にとどまった。今年1〜5月累計のインバウンド旅客数は前年同時期から4.7%増の339万9310人。6月の数値は7月20日に公表予定となっているが、対前月で大幅な下落が予想される。

 このほか、マカオと香港の当局間で隔離検疫免除での往来再開に関する協議が進められている。これが実現すればインバウンド旅客数の底上げにつながると期待されている。

インバウンド旅客数が再び回復傾向に転じたマカオ。土産店が軒を連ねる大三巴街にも観光客の姿が目立つようになった(写真:MGTO)

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