中国広東省、新型コロナ市中感染確認30日連続ゼロ…南京国際空港でのクラスター発生受け江蘇省では防疫措置引き締め=7/21

 中国の南方にあり、香港やマカオと接する広東省、中でも広州市と仏山市において5月下旬から新型コロナウイルス感染症の再流行が続く中、省内各地で厳格な防疫措置が講じられてきた。

 広東省衛生健康委員会が7月22日朝に発表した内容によれば、21日全日の省内における新型コロナの市中感染確認数は無症状感染者も含めてゼロだったとのこと。同省では30日連続で市中感染確認ゼロを維持している。

 この日の省内における輸入例は感染確認が3市(広州、深セン、肇慶)で7人、無症状感染が3市(広州、仏山、肇慶)で4人。

 広東省の7月21日24時時点までの累計感染確認報告例は2820人(輸入例1254人)で、58人が医師による治療を受けている状況という。

 広東省における再流行は終息を迎えており、直近約1ヶ月にわたって散発的な市中感染確認例の出現もない状況。リバウンドや輸入例に対する警戒は続くものの、各地の状況に応じて各種防疫措置の調整(緩和)、それに伴う正常化が進んでいる。

 中国本土では、このところ雲南省においてリバウンドが続いている。同省の21日の市中感染確認は1人で、徳宏タイ族チンポー族自治州瑞麗市で実施された全民PCR検査で発見に至ったもの。輸入性については、感染確認が21人(無症状から感染確認に転じた1人含む)。雲南省の7月21日24時時点における感染確認例は287人(輸入例205人)、無症状は30人(輸入例28人)で、全員が定点医療機関において隔離治療、医学観察を受けているとのこと。

 近日、江蘇省の南京市では、南京禄口国際空港での業務に従事する人を中心にクラスターが発生している。21日の感染確認は11人、無症状は7人。南京市当局は市民に対して不要不急の市外の移動を控えるよう呼びかけるとともに、市内における閉塞管理の中リスク地域指定範囲を拡大。江蘇省は21日に交通防疫措置を講じる緊急通知を発出し、全南京市民及び南京空港、鉄道、バスで南京市を離れる旅客に対し、48時間以内のPCR検査陰性証明提示が必須になるとした。南京市内では閉塞管理区域及び周辺で公共交通サービスが一時停止に。江蘇省でもバス、タクシー、無線配車タクシー等の中高リスク地域との間を往来が一時停止となっている。

 マカオと広東省の間は人の往来も多いことから、マカオ政府は矢継ぎ早に水際措置の強化と域内における防疫措置の調整などの対策を講じてきたが、状況の緩和に伴い措置の見直しが続き、7月10日をもって再流行前と同水準(直近7日以内の新型コロナPCR検査陰性証明提示など一定の条件を満たせば隔離検疫免除で往来可能)にまで戻った。一方、雲南省の一部と南京市の一部が中リスク地域に指定され、マカオ入境時に14日間の隔離検疫を受けることが必須となった。

 深セン市と陸で接する香港では、5月下旬に流行第4波が終息。以降、44日にわたって市中における伝播の出現はなく、輸入関連性事案が4人確認されたのみ。香港政府は、広東省及びマカオとの往来制限緩和に向けた協議を進めているとしているが、これまでのところ目立った進展はない。

深セン市の繁華街「東門歩行街(老街)」(資料)—本紙撮影

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