マカオで一家4人が新型コロナ感染確認…南京空港クラスターとの関連濃厚

 マカオでは約490日にわたって新型コロナ市中感染確認ゼロを維持してきたが、8月3日に域内で一家4人の感染確認例が報告されたことで緊迫感が高まっている。7月下旬から中国本土で拡大が続く南京空港クラスターに端を発した再流行との関連が濃厚。

 マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センターの発表によれば、8月3日に広東省珠海市の衛生当局から、マカオ居民2人(夫婦)が同市で受けたPCR検査結果が陽性だったとの通報があったとのこと。これを受け、即座にマカオ政府衛生局が夫婦とその息子、娘の計4人を探し出し、PCR検査を実施した結果、全員陽性となり感染確認に至ったもの。

 マカオ政府は速やかに一家の住居周辺及び夫妻の勤務先周辺をロックダウンするとともに、密接接触者、二次接触者の追跡を進めた。また、市中における伝播の可能性が高まったとし、午後3時30分に「予防状態」を宣言し、マカオからの出境者に24時間以内に受検したPCR検査の提示を求めるとともに、市民に対して不要不急の域外への移動と人混みを避けるよう呼びかけを行った。今後、密接接触者らへのPCR検査が進められるが、その結果によって局地ロックダウンや全民PCR検査といった措置が講じられる可能性もあるとしている。

 マカオ政府衛生局による初歩疫学調査では、学校の交流行事(参加者30人)で7月19日から24日まで陝西省西安市を訪問していた娘が最初に感染し、一家に伝播した可能性が高いという。娘は7月19日に珠海空港から中国南方航空CZ3761便に搭乗して西安に向かったが、この便の機材は直前に南京から珠海に到着したもので、後に乗客の中から2人の感染者が出現していたことがわかっており、感染源とみられるため。また、娘は西安滞在中の7月22日に咳、味覚喪失などの自覚症状があったものの、医師の診断を受けず、27日に症状が好転したと説明。息子は28日に発熱、頭痛、鼻水、29日から味覚喪失、父親は8月1日から咽頭痛、味覚・嗅覚喪失、母親は8月2日から咽頭痛、味覚・嗅覚喪失の症状がそれぞれ出現したとのこと。PCR検査では、娘のCT値が30を超え最も高く、残る3人は10程度だったという。

 今回のケースでは、一家4人が潜伏期間中及び発症後の数日にわたって市中にいたことから市中における伝播があった可能性も否定できない状況で、しばらくの間は予断を許せない状況が続きそうだ。

マカオ市政署(IAM)がマカオで新型コロナ感染確認された一家4人の住居周辺で実施した消毒作業の様子=2021年8月3日(写真:IAM)

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