マカオ、2021年1〜7月累計カジノ税収は微増の約3051億円…年度予算執行率は44.4%にとどまる

 このほどマカオ政府財政局が公表した最新の財政収支資料によれば、今年(2021年)1〜7月累計の歳入は前年同時期から17.6%減の603億7178.3万マカオパタカ(日本円換算:約8296億円)で、年度(1〜12月)予算執行率は60.0%だった。

 ただし、経常的収入に限ると6.1%増の303億9654.1万マカオパタカ(約4177億円)に。

 このうち、ゲーミング(カジノ)税収は0.04%増の222億0230.0万マカオパタカ(約3051億円)。7ヶ月目にして初めて前年同期比プラスに浮上した。年度予算執行率は44.4%で、歳入に占めるゲーミング税の割合は36.8%に。通常は歳入の約8割を占めるが、ゲーミング税収の大幅減に加え、新型コロナの影響長期化による税収減を見越して資本的収入に補填分が計上されたことにより割合が小さくなった。

 歳出は2.5%減の492億5440.0万マカオパタカ(約6768億円)で、年度予算執行率は49.0%。新型コロナ経済支援対策を含む援助・補助等の項目が307億4958.3万マカオパタカ(約4225億円)。経常性費用が歳出の87.2%占めた。

 財政収支は111億1738.3万マカオパタカ(約1528億円)の黒字、前年同期比では51.1%減。補填分(その他資本的収入)を除外すれば実質赤字。

 ゲーミング税はカジノ粗収益(Gross Gaming Revenue=GGR)がベースとなる(*註)。昨年1月下旬以降、新型コロナウイルス感染症の流行に伴う入境制限を含む防疫措置の強化等によってインバウンド旅客数が激減し、GGRを直撃。昨年通期のGGRは79.3%の大幅減となる604.41億マカオパタカ(約8305億円)にとどまった。一方で、昨年第4四半期以降は中国本土との往来制限の緩和が進み、インバウンド旅客が回復傾向にある。月次GGRは7月まで6ヶ月連続前年同月比プラス。なお、今年5月下旬にマカオと隣接する中国広東省、7月下旬には中国本土各地で新型コロナの再流行が出現。入境制限を含む各種水際措置が強化されたことによるインバウンド旅客減が6月、8月のカジノ売上を直撃した。いずれの再流行も約1ヶ月で終息し、水際措置は従前の水準まで緩和されている。コロナの影響がGGRに大きな影響を与えたのは昨年2月以降のこと。政府は今年通期のカジノ売上を約1300億マカオパタカ(約1兆7864億円)と見込んでいる。

(*註)マカオのカジノに対する実効税率は約38〜39%。GGRの35%に加え、マカオファウンデーションへの拠出分として1.6%、インフラ・観光・社会保障基金への拠出分が2.4%(SJM社のみ1.4%)。

カジノのイメージ(資料)—本紙撮影

カジノのイメージ(資料)—本紙撮影

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