香港、新型コロナ市中感染確認55日連続ゼロ…輸入性は6人、全員ワクチン2回接種済みでL452R変異株感染=12/2

 人口約740万人の香港では、昨年(2020年)11月下旬から新型コロナウイルス感染症の流行「第4波」が続いていたが、5月にかけてようやく状況が落ち着き、5月末に終息した。

 6月以降は、上旬に1家族の女性3人の市中感染例、24日と27日にかけて空港での業務に従事する男性1人とその密接接触者の1人、7月2日に検疫用ホテルの清掃作業員の女性1人、11日に空港での業務に従事する男性1人の輸入関連性感染確認例(いずれも当初市中感染例からの変更)、8月5日には建設作業員(感染経路不明、これまで感染確認に至らなかった無症状感染者の再陽性事例)、8月17日に空港ラウンジ職員(感染経路不明、L452R変異株)、10月8日に空港カーゴ部門従事者(感染経路不明、L452R変異株)の市中感染確認があったが、市中における連鎖的な伝播は出現していない。

 香港衛生当局の発表によれば、12月2日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数は6人で、すべて輸入性(海外からの入境者)とのこと。市中感染確認例に限ると55日連続ゼロを維持した。

 輸入性の患者6人は11月21日から30日にかけて英国、パキスタン(アラブ首長国連邦経由)、カタール・モロッコ・エジプト・ルワンダ・コンゴ、南アフリカ・オランダ、
米国、ロシア(フィンランド経由)からそれぞれ空路香港へ到着。全員が新型コロナワクチンを2回接種済みで、L452R変異株感染だった。

 このうち3人が空港到着後すぐの検査で、2人が隔離検疫用の指定ホテル滞在中の検査で陽性となり、感染確認に至った。パキスタンから到着の男性患者(22)は先に感染確認された患者の密接接触者で、検疫センター滞在中だったとのこと。

 なお、カタール・モロッコ・エジプト・ルワンダ・コンゴを訪問していた男性患者(38)は11月30日に香港へ到着したが、11月9日に香港を出発していたことから、慎重を期して患者の香港の住居及び立ち寄り先周辺に居合わせた人が強制検査の対象とされた。

 香港における過去14日間(11月18日〜12月1日)累計の新規感染確認は48人で、すべて輸入性事案。ここまでの累計感染確認数は1万2446人(擬似事案1人含む)。

 香港の12月1日午後7時時点のワクチン接種率は70.7%(1回目の接種完了)、67.4%(2回目の接種完了)となっている。累計接種回数は946万3529回、1日あたり接種回数は5824回(7日移動平均値1万9907回)。香港ではワクチンが充足している状況で、政府は9月末までに免疫の壁を構築するのに必要とする目標の接種率7割(1回目接種完了)を突破できるとする見通し示していたが、9月以降は接種回数の低迷が顕著で、11月23日にようやく達成された。なお、11月11日から3回目の接種(ブースター接種)がスタートし、上述の接種回数には3回目も含んだものとなっている。3回目の累計接種回数は16万9517回。

 香港衛生当局では、近日の輸入性感染確認例のうち、ワクチン接種を完了している患者も少なくないとし、不要不急の外遊(特に高リスク地域)及び外地における不必要な大型集会やイベントへの参加を控えるとともに、外地滞在中はマスクの着用し続け、個人・環境衛生管理に努めるよう呼びかけている。

新型コロナワクチンのブースター接種を受ける香港衛生署の林文健所長(資料)=2021年12月2日(写真:news.gov.hk)

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