中国本土の新型コロナ新規市中感染者数が8日連続300人超…広東省で25人、省内各地に分布=7/9

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降は全国的には安定した状況となり、散発的な市中感染確認例が度々出現する程度だったが、今年(2022年)に入って以降はオミクロン変異株及びその亜種(いわゆる「ステルスオミクロン」等)の流入を受け、上海や北京など一部地域で比較的大規模な再流行が発生した。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が7月10日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月9日の中国本土における新規市中感染確認者数は65人(前日から2人減)だったとのこと。内訳は広東省17人、安徽省11人、内モンゴル自治区9人、山東省9人、上海市5人、甘粛省5人、江蘇省3人、江西省2人、陝西省2人、浙江省1人、福建省1人。このうち山東省の7人、安徽省の3人、福建省の1人、陝西省の1人の計12人が無症状から感染確認へ転じた事案。中国本土で市中感染確認例が出現するのは267日連続で、4日連続100人以下となった。

 市中の無症状感染例は279人(前日から25人減)。内訳は、安徽省71人、江蘇省59人、山東省55人、上海市52人、広東省8人、甘粛省8人、福建省7人、海南省7人、河南省4人、広西チワン族自治区3人、浙江省2人、天津市1人、江西省1人、陝西省2人。

 無症状を含む新規感染者数は344人で、10日連続100人超、また8日連続300人超となった。

 7月9日24時時点の中国本土で治療中を受けている感染確認者数は1004人(うち輸入性が397人)で、重症者はゼロ。無症状の患者2876人(輸入性390人)が医学観察下にあるとのこと。

 香港・マカオと隣接する広東省では、5月下旬までに状況は落ち着いたが、その後しばらくして散発的な市中感染例が出現していた。9日の感染例は25人に上り、茂名市が11人で最も多く、他は広州市、深圳市、中山市、江門市、陽江市、湛江市、仏山市から報告されたケース。茂名市内では中・高リスクゾーン(局地ロックダウン対象)が6ヶ所設定されたとのこと。

 近日は安徽省宿州市で規模の大きな再流行が発生しており、依然として新規感染例の発見が続く状況。5月末に長期のロックダウンが解除となり、正常化が進んだ上海市だが、近日再び市中感染が増加し、中・高リスクエリア指定される場所が相次ぐ。9日の感染例57人のうち一般市中から発見に至ったのは1人で、残りは隔離対象者だったという。上海市と隣接する江蘇省でも連日2桁の感染例出現が続いており、無錫市と徐州市が主。ほかにも、各地で局地的に再流行が出現している状況。

 このところ中国本土の状況が総じて落ち着いてきた一方で、香港ではソーシャルディスタンス措置の第二次緩和後に市中感染確認数の緩やかなリバウンドが続き、直近では3千前後(輸入性含む)となっている。マカオについては約8ヶ月にわたって市中感染確認数ゼロを維持してきたが、6月18日深夜から陽性者の出現が相次ぎ、9日午前0時までの累計は1374人に。マカオでは19日以降、全市民を対象としたPCR検査及び迅速抗原検査によるスクリーニングが高頻度で実施されており、7月17日まで継続することがアナウンス済み。11日から18日まではセミロックダウンともいえる”社会相対静止”状態に突入する。目下のマカオ市中の流行株は感染力が強いとされるオミクロン変異株派生型のBA.5.1とされている。

中国広東省広州市内にある高層ビル(資料)—本紙撮影

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