新種の偽1000香港ドル札見つかる―中銀香港08年版に酷似

マカオで極めて精巧な偽1000香港ドル紙幣が見つかった。中國銀行(香港)が発行した2008年版と酷似しているという。マカオ政府司法警察局によると、マカオの銀行及びカジノから通報を受けた偽札63枚について調査を行っている。

2013年12月25日付地元有力紙「澳門日報」が報じた。今回見つかった偽札はこれまでになかった新種とみられる。司法警察局によると、まだ犯人は逮捕されておらず、同一犯罪集団による犯行の疑いもあるとして、香港警察当局と連携しながら捜査を進めているという。

今回の偽札は、今月20日にマカオ半島北部の黒沙環にある銀行で最初に見つかった。マカオの女性が46万香港ドルを預金しようと銀行を訪れた際、1000香港ドル紙幣のうち50枚が偽札だったという。一部は同一番号だった。翌日、タイパ島のカジノからも通報があり、13枚の偽札が含まれていたという。初動調査によると、最初に銀行を訪れた女性は無関係とみられている。

今回見つかった偽札は極めて精巧というが、本物と比べてやや紙質がやや薄く、透かし部分のレイヤーが不鮮明という特徴があり、ホログラムの部分についても、特殊な蛍光灯を使った紙幣判別機では決定的な色の違いが見られるという。

また、香港の報道によると、香港では2つの銀行で5枚の偽1000香港ドル紙幣が見つかったといい、こちらも中國銀行(香港)が発行した2003年版と酷似している新種という。香港金融管理局によると、現在市場に流通している中國銀行(香港)発行の1000香港ドル紙幣は約7000万枚で、そのうち半分にあたる3500万枚が2003年版という。香港では中國銀行(香港)のほか、HSBCとスタンダード・チャータード銀行も1000ドル紙幣を発行しているが、それぞれデザインが異なる。

マカオの法定通貨はマカオパタカだが、市場では一般的に香港ドルがほぼ等価で流通している。カジノや不動産取引の現場では香港ドルが優勢とあり、マカオの主要流通通貨としての役割を果たしている。

中國銀行(香港)発行の1000香港ドル紙幣見本(香港金融管理局ウェブサイトより)

中國銀行(香港)発行の1000香港ドル紙幣見本(香港金融管理局ウェブサイトより)

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオは長く本格的な鉄道が存在しなかったが、2019年12月に新交通システム「マカオLRT」タイ…
  2.  マカオ政府旅遊局(MGTO)は4月18日、今年第1四半期(2024年1〜3月)のマカオのツーリズ…
  3.  マカオ政府経済・科技発展局は4月17日、昨年第4四半期(2023年10〜12月期)の工業輸出状況…
  4.  マカオ・コタイ地区にあるギャラクシーアリーナで「ITTF(国際卓球連盟)男女ワールドカップマカオ…
  5.  マカオで複数のカジノIR(統合型リゾート)を運営するサンズチャイナ社は4月18日、今年(2024…

ピックアップ記事

  1.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  2.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  3.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  4.  マカオ国際空港を本拠地とするマカオ航空(NX)が福岡便の運航を(2024年)7月12日から再開す…
  5.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…

注目記事

  1.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  2.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  3.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  4.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  5.  香港国際空港の制限エリア内にある「スカイピア」と港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設との間を港…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年4月号
(vol.130)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun