4Gネットワーク導入時期、早くて2015年末以降か

マカオのモバイルネットワークについて、速度、費用、安定性ともに近隣地区と比較して遅れていると言わざるを得ない。香港では2年前から4Gサービスがスタートしている中、マカオでは未だ全く具現化のメドが立っていない状況だ。政府は今年(2014年)にも4Gサービス免許に関する具体案の取りまとめを目指すとしているが、すでに半年が経過した現在も進捗は見られない。

昨年末のマカオ立法議会で、4Gサービス導入時期に関して議員の質問を受けた電信管理局は、草案作成の最終段階にあり、2014年中に4Gサービス免許に関する具体案の取りまとめを目指すと回答。その後、同局では今年5月にも今年中を同様の見解を示しており、具体的なスケジュールは示されていない。

マカオでも、2年前から地元携帯電話キャリアが4Gサービス免許の発給、新しい周波数のモバイルネットワークへの開放を政府に要望している。携帯電話キャリアによると、すでにマカオの3Gネットワークは飽和状態にあり、いわゆる「パケ詰まり」問題も発生していることから、4Gサービス開始によりユーザーの分散を図りたい意向もある。マカオでもスマートフォンの普及が進み、モバイルデータ通信に対する需要は年々高まっている。

現在、マカオに4社ある携帯電話キャリアのうち、3社が中国本土、香港で4Gサービスを展開済みのため、マカオにおける4Gサービス導入に関しても蓄積されたノウハウの活用によりスムーズに展開できると予想される。

仮に電信管理局が示す今年中に4Gサービス免許に関する具体案が示されたと仮定して、その後、政府による入札及び審査、ライセンス獲得社によるネットワーク敷設、基地局建設、政府とのサービス価格調整、宣伝活動などのプロセスに約1年半ほどの時間が必要とみられる。実際にマカオのユーザーが4Gサービスを利用できるようになるのは、2015年末以降まで待たなくてはならない。

マカオの携帯電話サービス(写真はイメージ)—本紙撮影

マカオの携帯電話サービス(写真はイメージ)—本紙撮影

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