身分偽りVIPカジノ口座から巨額現金詐取―マカオ

マカオ警察司法警察局は8月11日、他人になりすましてカジノVIPクラブの口座から900万香港ドル(日本円換算:約1億1,877万円)の現金を引き出したとされる自称中国・広西チワン省自治区出身の33歳の男性を詐欺及び文書偽造等の疑いで逮捕した。当局では引き出した現金の用途を調べるとともに、共犯者の行方を追っている。

8月12日付地元有力紙「澳門日報」が報じた。まず、容疑者は被害者となる浙江省出身の50歳代の男性のパスポートを偽造し、電話会社を訪れてSIMカードを再発行し、電話番号を入手。その後、VIPクラブを訪れ、「本人から委託され口座に預けていた現金を引き出しに来た」と説明。スタッフが電話で確認したところ、先に入手した電話番号につながり、電話口で共犯者が応対することで信用させ、現金の詐取に成功する。これで味をしめた容疑者らは再び同じVIPクラブを訪れ1,000万香港ドル(約1億3,196万円)の詐取を試みたが、口座の持ち主が現金引き出しを別の電話番号宛に届いたショートメールで気付き、即座にVIPクラブへ連絡をいれたことで事件が発覚。それを察知した容疑者はすぐに偽造パスポートを手に逃走を図ったが、カジノ内で取り押さえられ、当局に身柄を引き渡された。

当局の調べによると、容疑者は別の人物から2万香港ドル(約26万円)の成功報酬で雇われたと供述しているといい、残る仲間の行方と900万香港ドルの用途について捜査を進めている。

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