マカオで今年初の域内デング熱感染を確認

マカオ政府衛生局は8月30日、今年初めてマカオ域内で感染したデング熱感染症例が1件見つかったことを明らかにし、市民に対して予防措置を講じるよう呼びかけている。デング熱は蚊を媒介にしてデングウイルスの感染により起こる急性の熱性感染症で、発熱、頭痛、筋肉痛、皮膚の発疹などが主な症状。

患者はマカオ半島の連勝街に住む82歳の女性で、8月17日に高血圧で鏡湖病院に入院。入院中の8月24日に発熱や発疹などの症状が見られたため検査を実施したところ、デング熱2型に感染しているあることがわかった。女性は発病前の2週間はずっとマカオ内に滞在していたといい、毎日カモンエス公園に散歩に出かけていたという。患者の行動履歴や検査結果などから、マカオ域外で感染した輸入性のものではなく、マカオ域内における感染と認定された。なお、患者は熱も下がり、経過は安定しているという。マカオでは今年(2014年)に入ってから6件のデング熱感染症例が見つかっているが、いずれも輸入性のものだった。

緑豊かな都会のオアシスとして市民の憩いの場となっているカモンエス公園(資料)—本紙撮影

緑豊かな都会のオアシスとして市民の憩いの場となっているカモンエス公園(資料)—本紙撮影

マカオ衛生局では、デング熱予防のため、自宅やオフィス周辺で蚊の発生源となる水たまりの除去、流行地の東南アジアや広東省を訪れる際は単色の長袖シャツを着用すること、宿泊する場合は空調付きまたは蚊帳などのある施設を選び、外出時は虫除けスプレー等を使用するよう市民に呼びかけている。また、デング熱と疑われる症状が出た場合、すぐに医師の診断を受ける必要があるとし、マカオの医療機関では無料のデング熱診断を行っている。

今年は日本でも東京都や埼玉県で約70年ぶりに国内デング熱感染症例が見つかっている。

衛生局ではカモンエス公園で緊急の蚊の駆除作業を実施した(写真:衛生局)

衛生局ではカモンエス公園で緊急の蚊の駆除作業を実施した(写真:衛生局)

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  アフターコロナ初年となったマカオの昨年(2023年)通期のカジノ売上(粗収益、Gross Gam…
  2.  マカオ・コタイ地区にある統合型リゾート(IR)ギャラクシーマカオのイーストスクエアで4月24日、…
  3.  マカオ治安警察局は4月24日、同月22日に路線バスの車内で乗り合わせていた20代の女性の臀部に下…
  4.  マカオ政府旅遊局(MGTO)は4月24日、マカオ半島新口岸地区にあるマカオグランプリ博物館でレゴ…
  5.  マカオ政府衛生局は4月23日夜、マカオで「人食いバクテリア」と呼ばれる細菌のひとつ、ビブリオ・バ…

ピックアップ記事

  1.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  2.  マカオ国際空港を本拠地とするマカオ航空(NX)が福岡便の運航を(2024年)7月12日から再開す…
  3.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  4.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  5.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…

注目記事

  1.  香港国際空港の制限エリア内にある「スカイピア」と港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設との間を港…
  2.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  3.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  4.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  5.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年5月号
(vol.131)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun