マカオ、19年7月のインバウンド旅客数約353万人…対前年16.3%増=1〜7月累計も20.0%増、港珠澳大橋開通追い風

 近年、訪マカオ旅客数は安定的な右肩上がりで推移している。また、昨年(2018年)10月24日に港珠澳大橋が開通して以降、明確な旅客増加傾向が確認されている。

 マカオ政府統計調査局は8月21日、今年(2019年)7月の訪マカオ外客数(インバウンド旅客数)統計を公表。月次のインバウンド旅客数は前年同月から16.3%増の353万0233人(延べ、以下同)だった。

 今年7月のインバウンド旅客全体のうち、宿泊を伴う旅客は前年同月から4.7%増の171万4484人、日帰り旅客は29.9%の大幅増となる181万5749人。日帰り旅客が全体に占める割合が5.4ポイント上昇の51.4%に達したことから、旅客の平均滞在時間は0.1日短い1.2日となり、宿泊を伴う旅客と日帰り旅客はそれぞれ横ばいの2.2日、0.2日だった。

 国・地域別で最多だったのは中国本土旅客で、18.5%増の256万9941人。個人旅客に限ると10.9%増の117万7067人。中国本土旅客が全体に占める割合は72.8%。

 その他の国・地域では、人数が多い順に香港が16.4%増の63万4426人、台湾が5.1%減の9万6675人、韓国が6.9%減の5万5372人、フィリピンが42.9%増の3万0930人、日本が4.0%増の2万1254人。

 入境ルート別では、港珠澳大橋が加わったこともあり、陸路が49.0%の大幅増となる266万2180人。陸路の内訳では、マカオ半島北部の關閘が20.5%増の183万9002人、港珠澳大橋が陸路全体の20.8%にあたる55万3026人。一方、港珠澳大橋という新たな競合ルートが現れたこともあり、海路は43.6%の大幅減となる54万4268人にとどまった。空路は14.7%増の32万3785人。

 今年1〜7月累計の訪マカオ旅客数は前年の同じ時期から20.0%増の2381万4866人。宿泊を伴う旅客は7.7%増の1120万0311人、日帰り旅客は33.6%増の1261万4555人。国・地域別では中国本土旅客が21.7%増の1688万4398人で、全体の70.9%を占めた。その他の国・地域では、人数の多い順に香港が22.1%増の432万9336人、台湾が0.9%増の63万2272人、韓国が4.6%増の50万5512人、フィリピンが45.1%増の25万5919人、日本が9.9%増の19万6322人。

 昨年通期のインバウンド旅客数は前年から9.8%増の3580万3663人で、前年に続き過去最多を更新。国・地域別で最多だったのは中国本土旅客で、前年から13.8%増の2526万0556人。中国本土旅客が全体に占める割合は70.6%だった。

 なお、マカオのカジノ監理当局DICJが8月1日に公表した資料によれば、今年7月の月次カジノ売上は前年同月から3.5%減となる244.53億マカオパタカ(日本円換算:約3228億円)、1〜7月累計では0.9%減の1739.56億マカオパタカ(約2兆2963億円)で、インバウンド旅客数増による効果は限定的だったことが伺える。

港珠澳大橋のマカオ側と香港側のイミグレーション施設と往来するシャトルバスに乗り込む乗客=2018年10月24日、港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設内(写真:GCS)

港珠澳大橋のマカオ側と香港側のイミグレーション施設と往来するシャトルバスに乗り込む乗客=2018年10月24日、港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設内(写真:GCS)

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