マカオ、19年9月のカジノ売上0.6%増の約2951億円…3ヶ月ぶり対前年プラスに=1〜9月累計1.7%減の約2兆9445億円

 マカオ政府博彩監察協調局は10月1日、今年(2019年)9月のマカオの月次カジノ売上について、前年同月から0.6%増、前月から9.0%減となる220.79億マカオパタカ(日本円換算:約2951億円)だったとする最新統計を公表した。

 マカオの月次カジノ売上は2014年6月から2016年7月まで26ヶ月連続で前年割れだったが、2016年8月から2018年12月まで29ヶ月連続で対前年プラスを維持。その後、今年に入って以降は1、3、4、7、8月がマイナス、2、5、6、9月がプラスとなっている。

 今年1〜9月累計のカジノ売上は前年の同じ時期から1.7%減の2202.97億マカオパタカ(約2兆9445億円)で、マイナス幅は前月から0.2ポイント縮小した。

 今年1月1日からカジノフロア内の全面禁煙化が実施され、これまでハイローラーと呼ばれる大口ギャンブラーを対象としたVIPルームは分煙だったが、今年に入って以降は所定の喫煙ルーム内のみで喫煙が認められるかたちとなり、プレイしながら喫煙することが不可能となった。これによって、一部のギャンブラーがマカオ以外に流出した可能性があるとし、カジノ売上の停滞と因果関係を指摘する見方もある。また、マカオパタカは香港ドルを通じて米ドルと為替連動しているが、対ドルの人民元安も進んでいる。

 なお、2018年通期のカジノ売上は対前年14.0%増の3028.46億マカオパタカ(約4兆0458億円)。2年連続の対前年プラスで、4年ぶりに3000億パタカの大台を回復した。

 マカオの年間カジノ売上は21世紀に入って以降、2013年まで右肩上がりに上昇。ピークにあたる2013年の売上は3607.49億マカオパタカ(約4兆8193億円)だった。対前年4年ぶりのプラスに転じた2017年の売上は2011年と、2018年については2012年とそれぞれほぼ同水準。

カジノのイメージ(資料)—本紙撮影

カジノのイメージ(資料)—本紙撮影

【資料1】2019年のマカオの月次カジノ売上の推移(カッコ内は前年比)
・1月:249.42億マカオパタカ=約3332億円(5.0%減)
・2月:253.70億マカオパタカ=約3389億円(4.4%増)
・3月:258.40億マカオパタカ=約3452億円(0.4%減)
・4月:235.88億マカオパタカ=約3151億円(8.3%減)
・5月:259.52億マカオパタカ=約3467億円(1.8%増)
・6月:238.12億マカオパタカ=約3181億円(5.9%増)
・7月:244.53億マカオパタカ=約3267億円(3.5%減)
・8月:242.62億マカオパタカ=約3241億円(8.6%減)
・9月:220.79億マカオパタカ=約2951億円(0.6%増)
>1〜9月累計:2202.97億パタカ=約2兆9445億円(1.7%減)

【資料2】2013年〜2018年のマカオの年間カジノ売上の推移(カッコ内は前年比)
・2013年:3607.49億マカオパタカ=約4兆8193億円(18.6%増)
・2014年:3515.21億マカオパタカ=約4兆6960億円(2.6%減)
・2015年:2308.40億マカオパタカ=約3兆0838億円(34.3%減)
・2016年:2232.10億マカオパタカ=約2兆9819億円(3.3%減)
・2017年:2657.43億マカオパタカ=約3兆5501億円(19.1%増)
・2018年:3028.46億マカオパタカ=約4兆0458億円(14.0%増)

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオ司法警察局は4月20日、シンガポールからマカオへ向かう航空機内で別の客の荷物から現金を盗ん…
  2.  マカオ司法警察局は4月18日、架空の詐欺被害をでっち上げたとしてマカオを訪れていた中国人(中国本…
  3.  マカオ政府衛生局は4月19日夜、「人食いバクテリア」と呼ばれる細菌のひとつ、ビブリオ・バルニフィ…
  4.  マカオ政府統計調査局は4月19日、今年(2024年)2月の飲食業と小売業に関する景気調査結果を公…
  5.  4月19日付のマカオ特別政府区公報に「不動産需要管理に関する税制措置の撤廃」法が掲載され、翌日(…

ピックアップ記事

  1.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  2.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  3.  マカオ国際空港を本拠地とするマカオ航空(NX)が福岡便の運航を(2024年)7月12日から再開す…
  4.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  5.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…

注目記事

  1.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  2.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  3.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  4.  香港国際空港の制限エリア内にある「スカイピア」と港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設との間を港…
  5.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年4月号
(vol.130)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun