ポルトガル・リスボンで世界記憶遺産「漢文文書」エキジビション開催…清朝期のマカオ及び中外関係史知る第一級資料

 2017年10月、マカオ歴史文書館とポルトガル・リスボンのトッレ・ド・トンボ国立公文書館が共同申請していた「漢文文書(Chapas Sínicas)」が国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界記憶遺産リストに登録された。

 「漢文文書」はトッレ・ド・トンボ国立公文書館にアーカイブされている中国語の文書とその翻訳版、草稿など約3600点で構成され、清朝期の18世紀半ばから19世紀半ばのものが中心。当時のマカオの社会状況、市民生活、都市計画、農工業生産、商業貿易をうかがい知ることができる各種統計資料、手紙、契約書のほか、マカオがポルトガル統治下という特殊状況にあった時期の清朝とポルトガルの間を往来した公文書が含まれていることから、マカオの歴史及び中外関係史を知る第一級資料とされている。

 昨年、マカオで5ヶ月にわたって「漢文文書展」が開催された。マカオ政府文化局(ICM)によれば、今年(2019年)は中国とポルトガルの国交樹立40周年とマカオ返還20周年に当たり、これを記念してトッレ・ド・トンボ国立公文書館で漢文文書をテーマにしたエキジビションの開催が決まったという。タイトルは「漢文文書−トッレ・ド・トンボ国立公文書館のマカオ物語」、会期は10月9日から来年(2020年)2月8日までとのこと。

 マカオは大航海時代以来、東洋と西洋を結ぶ貿易港として栄えた。東西文化が見事に融合したエキゾチックな町並みが残るマカオ半島中心部の旧市街(歴史市街地区)にはユネスコ世界文化遺産リストに登録された建築物と広場が30ヵ所も存在する。また、マカオは2017年にユネスコ・クリエイティブシティーズ・ネットワークの「食文化創造都市」にも登録されている。

ポルトガル・リスボンのトッレ・ド・トンボ国立公文書館で開催中の「漢文文書」エキジビション(写真:ICM)

ポルトガル・リスボンのトッレ・ド・トンボ国立公文書館で開催中の「漢文文書」エキジビション(写真:ICM)

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオ司法警察局は4月20日、シンガポールからマカオへ向かう航空機内で別の客の荷物から現金を盗ん…
  2.  マカオ司法警察局は4月18日、架空の詐欺被害をでっち上げたとしてマカオを訪れていた中国人(中国本…
  3.  マカオ政府衛生局は4月19日夜、「人食いバクテリア」と呼ばれる細菌のひとつ、ビブリオ・バルニフィ…
  4.  マカオ政府統計調査局は4月19日、今年(2024年)2月の飲食業と小売業に関する景気調査結果を公…
  5.  4月19日付のマカオ特別政府区公報に「不動産需要管理に関する税制措置の撤廃」法が掲載され、翌日(…

ピックアップ記事

  1.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  2.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  3.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  4.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  5.  マカオ国際空港を本拠地とするマカオ航空(NX)が福岡便の運航を(2024年)7月12日から再開す…

注目記事

  1.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  2.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  3.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  4.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  5.  香港国際空港の制限エリア内にある「スカイピア」と港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設との間を港…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年4月号
(vol.130)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun