マカオLRTタイパ線の開業後1ヶ月間の累計乗客数は82万人超…運賃無料キャンペーン展開、事前見通し上回るペース

 マカオ初となる本格的な軌道系大量輸送機関(鉄道)として、マカオLRT(Light Rapid Transit)が昨年(2019年)12月10日に営業運転を開始した。

 運営会社のマカオLRT社は1月11日、開業後1ヶ月間(12月10日〜1月9日)の乗客数が82万人超(延べ、以下同)に上ったと公表。単日最多は12月25日の4万8700人だったとのこと。

 マカオ政府運輸・公共事業庁のライムンド・アライス・ド・ロザリオ長官は12月10日の開業式典後に囲み取材に応じた際、1日平均乗客数見通しについて約2万人とコメントしており、これまでのところ予想を上回るペースで進捗していることになる。

 マカオLRTタイパ線では、開業初日から運賃無料キャンペーンを展開。当初、2019年内までの予定だったが、2020年1月末まで延長されている。キャンペーン終了後の運賃は3駅までが6マカオパタカ(約82円)、6駅までが8マカオパタカ(約110円)、10駅までが10マカオパタカ(約137円)で、マカオLRT専用のプリペイド型ICカードを使用した場合や高齢者、子供は割引料金が適用される。

マカオLRTタイパ線の起点となるタイパフェリーターミナル駅に停車中の列車=2019年12月10日本紙撮影

 タイパ線はマカオLRT第1期プロジェクトの一部。今回開業したのはタイパフェリーターミナル駅と海洋駅の間の9.3キロ、11駅。沿線には香港や広東省主要都市との間を結ぶ高速船が発着するタイパフェリーターミナル、年間旅客数約950万人のマカオ国際空港、広東省珠海市の横琴新区との陸路のボーダーにあたるコタイ・イミグレーションといった陸海空の玄関口のほか、大型カジノIR(統合型リゾート)が密集するコタイ地区、著名観光地のタイパヴィレッジ、高層マンションが建ち並ぶ新興住宅街が存在。通勤、通学、観光の足として、定時到達性の高い鉄道の開通による利便性向上に大きな期待が寄せられている。

 マカオLRTは三菱重工グループの三菱重工エンジニアリング社の全自動無人運転車両システム(Automated Guideway Transit=AGT)を採用。同社がAGTシステムとして、東京の「ゆりかもめ」と同タイプのクリスタルムーバー型AGT車両(110両)、信号・列車制御設備、供電設備、通信システム、軌道、メンテナンス設備、ホームドア、料金機械を手掛けた。また、開業後5年間にわたる車両のオーバーホールメンテナンスも担当し、マカオLRTの安定運行をサポートすることになっている。AGTシステムは、電力駆動により完全自動走行する新交通システムで、ゴムタイヤ方式を採用しているため走行が滑らかかつ低騒音であるのが特徴。

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