マカオのカジノが半月ぶり営業再開…即時オープンは全41施設中の29施設、稼働テーブル数は総数3割弱の約1800台

 中国・湖北省武漢市で集中発生している新型コロナウイルスによる肺炎について、世界各地で感染拡大に対する懸念が高まる中、中国本土からのインバウンド旅客が多いマカオでも、官民の間で各種防疫対策が進んでいる。

 マカオでは、防疫対策強化の一環として、すべてのカジノ施設が2月5日から15日間の休業に入っているが、いよいよ20日午前0時から再開可能となる。政府はカジノの再開にあたり、運営会社に対して従業員及びゲストの健康を最大限保護することなどを求めており、再開準備が間に合わない施設については、30日間の猶予期間を設けている。

 マカオのギャンブル行政を管轄する博彩監察協調局(DICJ)が2月19日に発表した内容によれば、営業再開が可能となる20日午前0時に即時オープンを予定しているカジノは全41施設中の29施設で、稼働テーブル数は総数の3割弱にあたる1800台とのこと。残る12施設のうち、2施設は以前から長期休業中で、猶予期間となる30日以内に再開することが必須となるのは実質10施設となる。その大半が中小規模のホテルに併設された衛星カジノと呼ばれる施設で、大型IR(統合型リゾート)併設のものはサンズコタイセントラルのみ。

 カジノ再開後、ゲスト及び従業員のいずれも入場時に体温検査、マスクの着用、健康申請書の提出が義務付けられる。マカオ入境前14日以内に湖北省滞在歴がある場合は入場できない。また、ゾーン毎に過半数のテーブルを非稼動としてカジノテーブル間の距離を確保するなどの調整も行われ、テーブルゲームでは隣席を空ける対応となり、バカラテーブルでは1テーブルにつき同時にベットに参加できるのは3〜4人になる。スロットマシンについては、1台または2台おきの稼動とし、ゲスト同士が一定の距離が保たれる。

 本稿執筆時点(マカオ時間2月19日午後5時40分)のマカオにおける新型コロナウイルス感染確認者数は累計10人で、内訳は7人が武漢からの旅客、3人がマカオ人。このうち武漢からの旅客6人が治癒し退院済み。2月5日以降、今日まで15日連続で新規感染確認ゼロが続いている。

再開を前にカジノ施設で実施された清掃・消毒作業の様子(写真:DICJ)

【資料】
マカオのカジノ施設における主な新型コロナウイルス感染症防疫対策
・1月上旬〜:カジノ施設のゲスト及び従業員入口に体温測定装置を順次設置
・1月22日〜:カジノフロアでの業務に従事するスタッフのマスク着用義務化
・1月27日〜:入境前14日以内に湖北省滞在歴のあるゲストの入場禁止
・2月1日〜:カジノフロア入場ゲストのマスク着用義務化
・2月4日:カジノ施設の一時休業決定発表
・2月5日:カジノ施設の15日間の休業スタート(2月19日まで)
・2月17日:カジノ施設の一時休業解除を発表(2月20日から)
・2月20日:全41施設中29施設で営業再開(予定)

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