マカオに新たな飛び地…広東省珠海市横琴新区の一部がマカオ法適用範囲に

 マカオと広東省珠海市の間には複数の陸路ルート存在する。このうち、マカオのコタイ地区の蓮花口岸と珠海・横琴新区の横琴口岸を蓮花大橋を経由して結ぶルートについて、現在はマカオ側と珠海側にそれぞれイミグレーション施設が設置されているが、マカオ側の管理区域を珠海側に延伸し、珠海・横琴新区側に新たに建設する1つのイミグレーション施設に両地の出入境管理を集約する準備が進められている。

 「一地両検」と呼ばれるもので、これが実現すれば出入境の手間が一度で済むというメリットがある。すでに2018年10月から港珠澳大橋の珠澳人工島上にあるマカオ側と珠海側を跨ぐ一体型のイミグレーション施設で運用されている方式だ。

 3月18日午前0時から、新・横琴イミグレーション施設や蓮花大橋など6万6428平米が正式にマカオの管理区域(マカオ法適用範囲)となり、管理移行式典が開催された。飛び地のような位置付けで、期限はマカオのポルトガルから中国への返還から満50年となる2049年12月19日までとされている。今後、段階的に整備が進む予定で、第二段階で自動車通関施設や同じく飛び地となっている横琴新区の一部にあるマカオ大学キャンパスとのアクセス路(2021年頃)、第三段階としてマカオLRT(新交通システム)の新イミグレーションビルまでの延伸などが計画されている。

新・横琴イミグレーション施設のマカオ側管理区域(写真:GCS)

 目下、新・横琴イミグレーション施設は整備中のため、「一地両検」の運用開始は少し先となる見込みで、それまでの間、蓮花口岸は従来通り機能するとのこと。

 横琴新区はマカオの大型IR(統合型リゾート)集積エリアとなるコタイ地区と川を隔てて隣接する位置にあり、マカオのおよそ4倍の面積を持つ島。中国の国家級開発区に指定され、グローバル企業の華南地区本部、レジャー施設、漢方薬研究施設、教育機関などの誘致を目指して開発や交通網の整備が進められている。

管理移行に合わせてマカオ法執行部門が駐在を開始=2020年3月18日(写真:GCS)

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオ・コタイ地区にある統合型リゾート(IR)グランドリスボアパレス(上葡京)で4月22日、世界…
  2.  マカオの統合型リゾート(IR)運営企業SJMリゾーツ社は4月22日、マカオ特別行政区の成立25周…
  3.  マカオ政府統計センサス局(DSEC)は4月22日、今年(2024年)3月及び1〜3月累計の訪マカ…
  4.  マカオを中心にアジア、欧州で統合型リゾート(IR)施設の開発・所有・運営を行うメルコリゾーツ&エ…
  5.  マカオ治安警察局は4月21日、自動車の運転者と歩行者の安全を確保するため、マカオ域内の各所でキッ…

ピックアップ記事

  1.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  2.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  3.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  4.  マカオ国際空港を本拠地とするマカオ航空(NX)が福岡便の運航を(2024年)7月12日から再開す…
  5.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…

注目記事

  1.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  2.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  3.  香港国際空港の制限エリア内にある「スカイピア」と港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設との間を港…
  4.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  5.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年4月号
(vol.130)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun