マカオの20年第1季GDP、前年同期比実質48.7%縮小…新型コロナの影響深刻

 マカオ政府統計調査局は5月30日、今年第1四半期(2020年1〜3月期)の域内総生産(GDP)を公表。

 今年第1四半期の域内総生産は前年同期から実質48.7%の大幅減となった。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で全世界規模で経済活動が大幅に縮小し、マカオ域内では大規模流行には至らなかったものの、新型コロナ流行下においてサービス輸出を主とするマカオ経済は深刻なインパクトを受け、全体的な需要が大幅に減少した。外需については、サービス輸出が60.0%減となり、このうちゲーミング(カジノ)サービス輸出とその他ツーリズムサービス輸出が61.5%、63.9%のそれぞれ減、貨物輸出も23.5%減だった。内需の減少幅は拡大し、17.5%減に。主に固定資産投資及び個人消費支出の減によるもので、政府最終消費は5.0%増、貨物及びサービス輸入は30.8%、30.3%のそれぞれ減。

 今年第1四半期のGDPデフレーターは2.0%上昇。

 新型コロナ流行下において個人消費は減少。防疫期間中の居民の外出消費、外遊が減少したことに加え、経済の先行きが不透明な中、個人消費は15.2%減。居住地がマカオ、外地の消費支出は11.9%、44.3%のそれぞれ減。

 新型コロナ防疫対策のため、政府が防疫装備品及び医療物資の購入、隔離検疫のためのホテルの借り上げ、経済援助措置を講じたことで、政府最終支出の増加幅は前の四半期の1.9%から5.0%に拡大。このうち貨物・サービス購入の正味購入額は10.3%増、スタッフ報酬は1.7%増だった。

 固定資産投資の減少幅も拡大し、前年同期から37.2%減に。建設及び設備投資は37.0%、37.8%のそれぞれ減。政府がインフラ投資を拡大したことを受けて公共工事への投資は47.8%増、設備投資は30.4%減。民間投資については、大型建設プロジェクトが相次いで完工を迎えた上、新規着工プロジェクトが減少したこと、新型コロナによって建設の進捗遅延、不動産取引数にも影響が及び、民間建設投資は45.3%減、設備投資も38.1%減に。

 全体的な需要の減退で貨物貿易のパフォーマンスも精彩を欠いた。個人消費、投資、旅客消費がいずれも減少したことで、貨物輸入は30.8%減。貨物輸出は外需の鈍化により23.5%減。

 各国・地域による外遊管制の影響を受け、訪マカオ外客数(インバウンド)は春節シーズンから減少が続き、第1四半期累計では68.9%減に。これによってゲーミンングサービス輸出及びその他ツーリズムサービス輸出は61.5%、63.9%のそれぞれ減に。居民の外遊減、さらにはその他の経済活動の収縮によって、サービス輸入も30.3%減となった。

新型コロナの影響でインバウンド旅客が激減したマカオ。写真は観光名所、世界遺産・聖ポール天主堂跡=2020年4月13日本紙撮影

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