マカオ政府、シェラトングランドを新型コロナ隔離検疫用ホテルに再指定…需要増に合わせ

 マカオではおよそ60日にわたって新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の新規感染確認ゼロが続いている。域内の状況は落ち着いているが、外からの流入を防ぐための厳格な入境制限(検疫)は維持されている。

 マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センターは6月7日、隔離下における14日間の医学観察措置(隔離検疫)の対象となる入境者の収容先として、同日付でコタイ地区の大型IR(統合型リゾート)サンズコタイセントラルに併設する5つ星ホテル「シェラトングランド・マカオ,コタイストリップ」を再指定したと発表。同ホテルは2棟の高層タワーで構成され、総客室数は約4000室だが、今回再指定されたのは前回指定時と同様の1棟(最大約2000室分)。リゾート内のショッピングモール、レストラン、その他のエリアとの通路は閉鎖され、隔離対象者は独立した専用の出入口から隔離エリアに入る導線が用意されているとのこと。

 隔離検疫用ホテルは政府による借り上げで、3月末から4月頭のピーク時に12軒、約4500室分に上ったが、水際対策強化と留学生らの帰国ラッシュが落ち着いたことを受け、コタイ地区の4つ星ホテル「ポウサダ マリーナ インファンテ」(298室)のみとなっていた。政府新型コロナウイルス感染症対策センターによれば、間も無く夏休みシーズンを迎えるにあたり、海外留学中のマカオ学生の多くが帰省を希望しているといい、需要増が予想されている。

 新型コロナの影響を受け、マカオでは1月下旬以降、インバウンド旅客が激減している。今年4月の平均ホテル客室稼働率(一時休業中及び隔離検疫用ホテルは含まず、以下同)は12.9%で、前年同月から78.6ポイント(pt)の大幅下落、1〜4月累計では前年の同じ時期から57.0pt下落の34.8%だった。

「シェラトングランド・マカオ,コタイストリップ」(資料)-本紙撮影

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