マカオ、78日ぶり新型コロナ新規感染確認…累計46人目=患者はフィリピンからの帰国者、到着時無症状

 マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センターは6月26日未明、新たに新型コロナウイルス感染例を確認したと発表。マカオにおける新規感染確認は実に78日ぶりのことで、累計46人目。

 患者はフィリピンから帰国したマカオ居民(マカオ居民IDカード保有者)の男性(57)。6月25日、マニラ発のキャセイパシフィック航空CX906に搭乗して香港国際空港へ向かい、同空港内でマカオ政府が在外居民の帰還用に特別運航する高速船に乗り継ぎ、マカオのタイパフェリーターミナルへ到着。マカオ入境時に発熱などの症状はなく、新型コロナウイルス核酸検査のためのサンプルを採取した後、14日間の隔離検疫を受けるため専用車で政府指定ホテルへ移動しており、市中には出ていなかった。その後、フェリーターミナルで採取したサンプルを使った検査結果が陽性と判明したことから、治療のためホテルから指定医療機関の仁伯爵綜合醫院に搬送され、隔離病室に入院したとのこと。

 患者が利用した高速船の特別便は、政府が在外マカオ人の帰国希望に応えるため、6月17日から7月16日まで運航するもの。特別便の利用には事前登録が必要で、登録者数は1200人超に上り、すでに約半数が帰国を果たした。帰国希望者の滞在先には、新型コロナ高流行エリアも含まれることから、衛生局では前回の帰国ピーク時(3月後半から4月頭頃)と同様、帰国者数の一定の割合で輸入例が確認されることもあり得るとしていた。

 これまでのマカオにおける累計感染確認者46人の内訳は輸入性症例が44人、輸入関連性症例が2人で、5月19日までに45人が治癒し退院済み。死亡例もゼロを達成している。

 マカオでは無症状であっても検査で陽性であれば感染確認者と見なされ、指定医療機関に入院して治療を受けることになっている。入院期間は平均3〜4週間、退院後も再発症リスクを考慮して隔離施設(高頂公共衛生臨床センター)の陰圧病室で14日間の経過観察、その後も14日間の自宅待機を必須とする多重の安全措置が講じられている。また、マカオの新型コロナ指定医療機関(2施設)には陰圧病床が232床あり、人工呼吸器72台、人工心肺装置(ECMO)3台を擁し、設備、医療スタッフとも充足している。市中感染、院内感染例とも発生していない。

在外居民の帰還用に香港国際空港とマカオ・タイパフェリーターミナルとの間で特別運航される高速便の停泊テストの様子(資料)=2020年6月17日(写真:GCS)

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