マカオ、38日連続新型コロナ新規感染確認なし…輸入関連性症例に限ると127日連続=入院患者全員退院済みで死亡例ゼロ

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行が世界各地へ拡大する中、国際観光都市マカオでも、状況の変化に応じた各種防疫対策が講じられている。

 マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センターは8月3日午後5時(現地時間、以下同)から定例記者会見を開催。マカオ域内における新型コロナウイルス新規感染確認は38日連続ゼロ、輸入関連性症例に限ると実に127日連続ゼロだったとのこと。

 これまでの累計退院者数は46人で、7月17日までに全員が退院済み。3月7〜14日と5月20日〜6月25日に続いて新型コロナ流行下で三度目の入院患者ゼロ状態に入っている。

 目下、厳格な入境制限は維持されているが、マカオ及び広東省における状況が落ち着いてきたことを受け、7月15日から両地の間で水際対策が一部緩和(新型コロナウイルス核酸検査の陰性証明書の提示などの条件付きで14日間の隔離検疫を免除)された。

 一方、中国本土の一部と香港における状況の変化を受けて、新たな措置を講じることが発表された。新疆ウイグル自治区のウルムチ、遼寧省の大連市を高発生地区と定め(これまでの「中」から引き上げ)、過去14日以内に渡航歴がある場合、マカオ入境時に14日間の医学観察(政府指定場所における隔離検疫)を受けることを必須とする。香港からマカオへの入境者については、これまで過去7日以内の新型コロナウイルス核酸検査の陰性証明の提出を求めていたが、これを過去72時間以内のものに変更。また、香港とマカオを往来する貨物船の乗員について、閉塞式管理を導入。乗員をマカオ政府指定のホテルに滞在させ(費用はマカオ政府が負担)、ホテルと港の間を専用車両で移動させることで、地域コミュニティとの接触機会を低減させるのが狙いとした。

 マカオでは無症状であっても検査で陽性であれば感染確認者と見なされ、指定医療機関に入院して治療を受けることになっている。入院期間は平均3〜4週間、退院後も再発症リスクを考慮して隔離施設(高頂公共衛生臨床センター)の陰圧病室で14日間の経過観察、その後も14日間の自宅待機を必須とする多重の安全措置が講じられている。また、マカオの新型コロナ指定医療機関(2施設)には陰圧病床が232床あり、人工呼吸器72台、人工心肺装置(ECMO)3台を擁し、設備、医療スタッフとも充足。市中感染、院内感染例とも発生しておらず、死亡例もゼロを達成している。

 マカオでは今年1月下旬以降、入境制限を含む厳格な防疫措置が講じられている。海外からの輸入症例を阻止するため、3月後半以降、水際対策が一層強化され、現在まで維持されている。市民生活は不便を余儀なくされ、インバウンド旅客の激減に伴う経済への打撃も大きい。マカオ政府は水際対策と同時に、市民が1日1枚のマスクを確実に入手できるよう1月下旬にマスク有償配給制度の立ち上げ、毎年恒例実施している市民への現金配布の前倒しや電子商品券の配布といった民生、経済支援対策にも乗り出している。

 このほか、夏休み明けにマカオから海外の学校へ戻る必要のある学生の移動について、一部航空会社が8月下旬から9月初旬にかけて、台北あるいはソウル経由で欧米へ向かうフライトを計画しているとし、詳細は旅行社へ問い合わせるよう呼びかけた。

マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センターによる定例記者会見=2020年8月3日(写真:マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センター)

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