マカオ、約2年間オーバーステイ状態の中国本土出身の男逮捕…偽造韓国パスポート使いホテルに滞在、防疫措置突破してカジノ入場も

 マカオ治安警察局は8月7日、2018年から約2年間にわたってオーバーステイ状態にあった中国本土出身の男を逮捕したと発表。

 8月5日午前1時頃、治安警察局がマカオ半島の中心部で検問を行っていた際、タクシーの乗客が身分証を所持しておらず、スマホに保存されていた韓国パスポートの画像を見せた上、韓国人だと説明したという。しかし、警察官が入境記録と照合したところ、確認できなかったため、再度問いただすと、香港居民身分証で入境していたと説明を翻した上、マカオ城市大学の学生寮に住んでいるなどと言い出し、嘘をついていることが明らかとして警察署へ連行したとのこと。

 その後の詳細調査によって、男が中国本土出身であることが判明。男が所持していたホテルのルームキーの情報を元に滞在先とみられるホテル客室を捜索したところ、偽造韓国パスポート1冊が見つかった。また、スマートフォン内には新型コロナ防疫対策の一環として導入され、カジノ入場時などに必要となる「健康コード」(直近の滞在歴、新型コロナ患者との接触歴の有無、発熱や咳といった症状の有無、連絡先を入力して生成されるもの)のスクリーンショット画像57点が入っていたが、いずれもパソコンを使って偽造した形跡があったという。

 男は警察の調べに対し、マカオ滞在中はサウナ施設を泊まり歩いていたが、新型コロナ防疫措置で休業となったため、ホテルに宿泊するために今年2月にインターネット経由で偽造韓国パスポートを購入し、健康コードの偽造については防疫措置を突破してカジノ施設に出入りするためにやったなどと供述したとのこと。また、捜査の過程で、男が宿泊していたホテルのフロント係の女が男のチェックイン手続きの際に虚偽情報での宿泊を手助けしていたこともわかり、逮捕したとのこと。

 警察は、オーバーステイの男を電子文書偽造と伝染病予防法の防疫措置違反、ホテルフロント係の女(いずれも年齢は30代)を収容罪で検察院送致済みとした。

電子文書偽造と伝染病予防法の防疫措置違反で検察院送致された中国本土出身の男(写真:マカオ治安警察局)

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