マカオ、世界遺産都市機構に加盟…先進的な世界遺産保護経験の共有や国際知名度向上に期待

 大航海時代以来、東洋と西洋を結ぶ貿易港として栄えたマカオ。東西文化がミックスしたエキゾチックな町並みが残るマカオ半島の歴史市街地区には、ユネスコ世界文化遺産リストに登録されている建物と広場が30ヵ所存在する。

 マカオ特別行政区政府は8月7日、世界遺産都市機構(OWHC、本部:カナダ・ケベックシティ)と「マカオ特別行政区の世界遺産都市機構加盟プレート授与セレモニー」をビデオ会議形式で合同開催した。

 OWHCは1993年に設立された国際性非営利・非政府組織で、「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」の実施、加盟都市間における文化遺産の保護と管理経験の共有、加盟都市間の世界遺産保護分野での協力を主旨とする。中国では、蘇州と都江堰に次いでマカオが3番目の加盟都市となった。

 マカオ歴史市街地区は2005年にユネスコ世界文化遺産リストに登録され、今年は15周年にあたり、政府が様々な記念事業を展開している。

 マカオ文化遺産委員会の梁頌衍委員はセレモニーの中で、マカオ歴史市街地区は(東西)文化の融合事例として傑出したものであるとし、これまで15年間にわたりマカオの世界遺産保護に対する意識は高まっており、中でも若い世代が積極的に参加するようになったことで、次世代にも継承されている」と現状を報告。

 マカオ政府を代表して出席した社会文化庁の歐陽瑜長官は、マカオは今回の世界遺産都市機構加盟によって、世界遺産保護関連情報及び活動へのアプローチで有利となり、先進的な世界遺産保護経験を持つ加盟都市に学び、また世界遺産都市としてのマカオの知名度向上につながると期待を示した。

ビデオ会議形式で開催された「マカオ特別行政区の世界遺産都市機構加盟プレート授与セレモニー」=2020年8月7日(写真:ICM)

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