マカオ、鉄道新線のパブリックコメント実施…マカオ半島北端とタイパ島北東部を結ぶ地下鉄「マカオLRT東線」

 マカオで鉄道新線に関するパブリックコメント(意見公募手続き)が9月4日から60日間にわたって実施される。これに先立ち、3日午後に政府が記者会見を開き、計画の概要を明らかにした。

 今回のパブリックコメントの対象となるのは、マカオLRT(Light Rapid Transit、新交通システム)の新路線「東線」。計画では、マカオ半島北端にある交通の要衝「關閘」からマカオ半島の北東沿岸、マカオ半島東側の沖合に造成中の埋立地「新城A区」を経由し、海を越えてタイパ島北東部沖に造成中の埋立地「新城E区」を結び、路線長は7.65キロ、設置駅数は起点と終点を含めて6駅で、全線・全駅を地下に設置。また、タイパ島側の終点駅の先に路線を伸ばし、2019年12月に開業済みのマカオLRTタイパ線のタイパフェリーターミナル駅へ乗り入れ、スムーズな乗り継ぎが可能となるという。

 開業後の所要時間はマカオ半島北端の關閘からタイパフェリーターミナルまで約15分を見込み、大幅な移動時間の短縮が期待されるほか、全線地下とすることで悪天候時の運転継続条件も整うとした。マカオ半島北部では海域の地下、新興埋立地は造成段階のため、道路工事等による既存交通への影響も少ないことを挙げた。

 なお、工期は着工から5〜6年程度、具体的なコストについては記者会見では明かされず、適切な時期に公表すると説明するにとどまった。このほか、駅施設に商業要素を付加することについても想定しているとのこと。

 マカオLRTは第1期プロジェクトを構成するタイパ線の一部(タイパフェリーターミナル駅と海洋駅の間の9.3キロ、11駅)で営業運転を開始している。目下、タイパ線のマカオ半島側への乗り入れ(タイパ線の海洋駅から西灣大橋を経由して媽閣駅に至る部分)について工事が進められている。一方、タイパ線とともに第1期プロジェクトとして計画されたマカオ半島線(媽閣から西灣湖、南灣湖、新口岸地区、マカオ半島北東部の住宅街を経由して關閘を結ぶ路線)については、ルート選定が難航するなどしており、本格着工に至っていない状況。

 第1期プロジェクト以外では、東線ほか、タイパ線から分岐してコロアン島方面へ向かう石排灣支線、同じく横琴新口岸へ向かう横琴支線、タイパ線の乗り入れとなる媽閣駅と關閘をマカオ半島西部沿岸経由で結ぶ路線(マカオ半島線と結び環状線化)、マカオ半島東部と港珠澳大橋マカオ側イミグレーションを結ぶ路線(マカオ半島線及び東線と接続)なども計画されている。

「マカオLRT東線」のコンセプトプラン(図版:Macau Light Rapid Transit Corporation, Ltd. / DSSOPT)

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