マカオ新中央図書館の建設予定地が変更に…ビジネス街から文教地区へ

 近年、マカオ政府は手狭になった中央図書館の移転計画を進めてきた。移転先としてマカオ半島のビジネス街にある旧法院ビルが候補とされ、2018年には設計プランも披露されたが、政府文化局(ICM)が9月10日に記者会見を開き、移転先の変更を発表した。

 新たな移転先は、マカオ半島の文教地区にあたる塔石廣場に面した旧エストリルホテル(愛都酒店)跡地。現在の中央図書館とは広場を挟んで斜め向かいにあたる。旧エストリルホテル跡地では、青少年向けの複合文化・レクリエーション施設を建設する別の再開発計画が発表済みだったが、新中央図書館の建設計画に置き換えられる。

 ICMによれば、新中央図書館の建設延床面積は1万平米以上で、マカオ最大規模の図書館になるという。移転先の変更理由に関しては、以前の計画と比較して建設難易度が低く、大幅なコスト削減を見込めること、文教地区の地の利を活かして図書館の多元的機能を発揮しやすいことなどを挙げた。

 目下、オランダ、フィンランド、アイルランド、スイスの設計チームにコンセプトデザイン制作を依頼している段階とのこと。アイコニックなデザインとし、旧エストリルホテルのファサードに描かれた壁画も残す意向という。落成時期は2024年を目指すとした。なお、現在の中央図書館については、主にマカオ関連資料及び古籍文献を収蔵し、新中央図書館と相互補完的な役割を担う考えがあるとのこと。

 このほか、記者会見では旧法院ビルにあるブラックボックス劇場をマカオ文化センターに併設するかたちでの移転、新設する計画、タイパ島にある花火工場跡とコロアン島にある造船所跡の再生計画の進捗状況についても説明がなされた。

欧州の4つの設計チームによるマカオ新中央図書館コンセプトデザイン(写真:ICM)


マカオ新中央図書所管建設予定となる塔石廣場に面した旧エストリルホテル跡地(写真:ICM)

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