2019年マカオのホテル業調査、収入は対前年2.6%増の約5014億円…利益率は11.8%

 近年、マカオではホテルのオープンラッシュが続いており、ホテル客室供給数が増加の一途となっているほか、滞在型デスティネーションとしての魅力が高まったことで、宿泊を伴う旅客が増加傾向にある。

 マカオ政府統計調査局は9月18日、昨年(2019年)のホテル業調査結果を公表。昨年のマカオの宿泊施設数(ホテル及び簡易宿泊施設)は前年から7軒増の123軒、従業員数は2.1%増の5万1859人、収入は宿泊客数が1.0%増だったことを受けて2.6%増の382.7億マカオパタカ(日本円換算:約5014億円)だった。支出は2.9%増の337.7億マカオパタカ(約4424億円)に上り、内訳は営業費用が150.7億マカオパタカ(約1974億円)、人件費が149.2億マカオパタカ(約1955億円)、購買及びコミッション支出が37.8億マカオパタカ(約495億円)でいずれも増加。

 宿泊施設のうち、5つ星ホテルの数は前年から1軒増の36軒、収入は3.6%増の300.8億マカオパタカ(約3941億円)で、内訳は客室宿泊料が4.2%増の136.1億マカオパタカ(約1783億円)、ベニュー貸出料が4.2%増の74.2億マカオパタカ(約972億円)、料飲サービス収入が6.3%増の67.7億マカオパタカ(約887億円)。4つ星ホテルの数は横ばいの17軒、収入は4.1%減の42.1億マカオパタカ(約552億円)で、このうち客室宿泊料が8.5%減の21.6億マカオパタカ(約283億円)、ベニュー貸出料が12.5%減の3.6億マカオパタカ(約47億円)。3つ星ホテルの数も横ばいの16軒、収入は3.0%増の37.3億マカオパタカ(約489億円)で、このうち客室宿泊料が2.9%増の16.8億マカオパタカ(約220億円)。2つ星ホテルの数は1軒増の15軒、収入は0.6%減の1.5億マカオパタカ(約20億円)。なお、2017年、2018年にマカオへ襲来した大型台風による損害に対する保険賠償が2018年までに完了したことを受け、営業外費用(利息及び保険賠償を含む)は71.3%減の1.5億マカオパタカ(約20億円)にとどまった。

 支出については、5つ星ホテルが3.8%増の271.0億マカオパタカ(約3551億円)で、内訳は人件費が4.4%増の122.0億マカオパタカ(約1598億円)、営業費用が3.0%増の118.9億マカオパタカ(約1558億円)。4つ星ホテルの支出は2.5%減の37.5億マカオパタカ(約491億円)で、このうち営業費用が3.6%減の19.9億マカオパタカ(約261億円)、人件費が2.5%減の13.1億マカオパタカ(約172億円)。3つ星の支出は1.0%増の27.0億マカオパタカ(約354億円)で、このうち人件費が3.0%増の13.2億マカオパタカ(約173億円)、営業費用が2.9%減の10.7億マカオパタカ(約140億円)。2つ星の支出は3.5%増の1.5億マカオパタカ(約20億円)。このほか、減価償却、利息等の営業外費用は6.0%増の162.0億マカオパタカ(約2122億円)だった。

 簡易宿泊施設の数は前年から5軒増の39軒。収入は10.5%増の8862万マカオパタカ(約12億円)、支出は32.2%増の6901万マカオパタカ(約9億円)。

 業界の経済貢献を示す付加価値総額は3.4%増の194.4億マカオパタカ(約2547億円)、従業員1人あたり平均は1.3%増の37.5万マカオパタカ(約491万円)。業界の利益は2.6%増の45.3億マカオパタカ(約594億円)、利益率と経費利益率はそれぞれ11.8%と13.4%で前年から横ばい。このほか、一部の大型5つ星ホテルが前年に落成したことを受け、業界の総固定資本形成は76.1%減の68.2億マカオパタカ(約894億円)に。

 今年に入って以降、マカオのホテル業界はコロナ禍でかつてない逆風にさらされている。

大型カジノIR(統合型リゾート)が建ち並ぶマカオ・コタイ地区の風景(資料)=2020年7月本紙撮影

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