マカオ、国慶節大型連休8日間累計インバウンド旅客数わずか15.6万人…1日平均86%減…中国本土との往来制限緩和も振るわず

 中国本土で大型連休となる国慶節ホリデー(2020年は10月1〜8日の8連休)はインバウンド旅客のうち7割を中国本土旅客が占めるマカオにとって年に複数ある書き入れ時のひとつに数えられる。

 目下、マカオでも新型コロナ防疫対策の一環で厳格な水際対策が講じられているが、マカオと中国本土における流行状況が落ち着いたことを受け、国慶節を前に往来制限の緩和が進み、中国本土旅客の隔離検疫なしでのマカオ渡航は可能な状態となっている。ただし、コロナ前と比較してマカオ渡航許可申請手続きに手間と時間がかかっているほか、新型コロナウイルス核酸検査(PCR検査)の陰性証明の提示などマカオ当局が定める条件をクリアする必要もあり、旅客数の急回復は望みにくい状況といえる。

 マカオ政府旅遊局(MGTO)が10月9日に発表した国慶節連休8日間の出入境旅客統計資料によれば、累計インバウンド旅客数は15万6300人だった。前年の連休が7日間だったことから単純比較はできないが、7日目までの1日あたり平均の旅客数は1万9538人で、前年から86.0%の大幅減に。

 中国本土旅客に限ると、8日間累計が全体の93.1%を占める14万5442人で、1日あたり平均は84.0%減の1万8180人。

 マカオ政府は国慶節ホリデー期間中のインバウンド旅客数について、前年同時期とは程遠い1日あたり2万人超程度とする見込みを示していたが、結果的には2万人を下回った。

 今年の国慶節ホリデー初日は伝統的に地元で家族とともに過ごす日とされる中秋節と重なったこと、マカオ渡航許可の申請から発給までにかかるタイムラグを考慮し、旅客の増は2日目以降になると予想されたが、2日目以降にやや増加はみられたものの、大きく伸張することがなかった。

 マカオ政府衛生局では、9月末の時点で国慶節大型連休後の状況によって現行の防疫措置を緩和することを検討する考えを示していた。連休中も新型コロナの新規確認例はゼロだった。マカオの観光関連業界を中心に、中国本土からのインバウンド旅客増につながるとして、入境条件のひとつであるPCR検査陰性証明提示の免除などを求める声が上がっている。

マカオの著名観光スポットのひとつ、世界遺産・セナド広場の様子(資料)=2020年10月6日本紙撮影

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