マカオ、国慶節大型連休中のホテル客室稼働率43.6%…前年同時期から50.4pt下落…平均客室単価も30.0%下落の約1.7万円に

 中国本土で大型連休となる国慶節ホリデー(2020年は10月1〜8日の8連休)はインバウンド旅客のうち7割を中国本土旅客が占めるマカオにとって年に複数ある書き入れ時のひとつに数えられる。

 目下、マカオでも新型コロナ防疫対策の一環で厳格な水際対策が講じられているが、マカオと中国本土における流行状況が落ち着いたことを受け、国慶節を前に往来制限の緩和が進み、中国本土旅客の隔離検疫なしでのマカオ渡航は可能な状態となった。ただし、コロナ前と比較してマカオ渡航許可申請手続きに手間と時間がかかっているほか、新型コロナウイルス核酸検査(PCR検査)の陰性証明の提示などマカオ当局が定める条件をクリアする必要もあり、旅客数の急回復は望みにくい状況といえる。

 マカオ政府旅遊局(MGTO)は10月9日、国慶節大型連休に絡む観光関連統計データを公表。インバウンド旅客数は約15.6万人(延べ、以下同)で、前年の連休が7日間だったことから単純比較はできないが、7日目までの1日あたり平均の旅客数は86.0%の大幅減だった。

 インバウンド旅客の内訳は、中国本土が主で、全体の93.1%を占める約14.5万人。1日あたり平均では84.0%下落。水際対策による影響を受け、香港と台湾からの旅客はそれぞれ9614人、1231人にとどまった。国際旅客はわずか13人。

 MGTOによれば、中国本土においてマカオ渡航許可申請の受付が再開されたこと、マカオが安全で旅行に適した都市であることを積極的に宣伝展開しており、このところの中国本土からマカオへの旅客数は増加傾向で、申請再開初日の旅客数は約6000人だったが、国慶節大型連休には2万人近くになったとした。

2020年国慶節大型連休中のマカオの観光名所、世界遺産・聖ポール天主堂跡前の様子(写真:MGTO)

 国慶節大型連休中に営業中のホテル(簡易宿泊施設含む)客室数は4万2441室で、客室稼働率は前年同時期から50.4ポイント(pt)下落の43.6%だった。等級別では、5つ星が52.0pt下落の43.2%、4つ星が47.4pt下落の45.2%、3つ星が42.8pt下落の51.9%、2つ星が61.0pt下落の21.4%、ペンサオン(簡易宿泊施設)が51.7pt下落の23.9%。

 平均客室単価は30.0%下落の1290.5マカオパタカ(日本円換算:約1万7100円)。等級別では、5つ星が26.9%下落の1634マカオパタカ(約2万1700円)、4つ星が49.4%下落の605.2マカオパタカ(約8000円)、3つ星が32.2%下落の821.6マカオパタカ(約1万0900円)、2つ星が69.7%下落の285.7マカオパタカ(約3800円)、ペンサオン(簡易宿泊施設)が65.7%下落の240.3マカオパタカ(約3200円)。

 MGTOでは、今後も中国のIT大手や航空会社と連携した各種宣伝展開を通じて旅客の誘致、ツーリズム消費の刺激、マカオ滞在時間の延長を図ることで、各業界に経済効果をもたらしたいとしている。

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオは長く本格的な鉄道が存在しなかったが、2019年12月に新交通システム「マカオLRT」タイ…
  2.  マカオ政府旅遊局(MGTO)は4月18日、今年第1四半期(2024年1〜3月)のマカオのツーリズ…
  3.  マカオ政府経済・科技発展局は4月17日、昨年第4四半期(2023年10〜12月期)の工業輸出状況…
  4.  マカオ・コタイ地区にあるギャラクシーアリーナで「ITTF(国際卓球連盟)男女ワールドカップマカオ…
  5.  マカオで複数のカジノIR(統合型リゾート)を運営するサンズチャイナ社は4月18日、今年(2024…

ピックアップ記事

  1.  マカオ国際空港を本拠地とするマカオ航空(NX)が福岡便の運航を(2024年)7月12日から再開す…
  2.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  3.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  4.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  5.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…

注目記事

  1.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  2.  香港国際空港の制限エリア内にある「スカイピア」と港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設との間を港…
  3.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  4.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  5.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年4月号
(vol.130)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun