香港政府が英国の変異種に対する警戒で水際措置強化…12/21単日の新型コロナ新規感染確認数85人

 香港では、新型コロナウイルス感染症の流行「第4波」を迎えている。

 香港政府は12月21日夕方の記者会見で、同日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数が85人だったと発表。内訳は市中感染が78人、輸入性が7人。新規感染確認数は2日連続で2桁にとどまったが、市中感染のうち感染経路不明は27人に上った。このほか、陽性予備群が50人超いるとのこと。

 市内各所で集団感染(クラスター)も相次ぎ確認されており、この日も既知の複数の事案に関連した感染確認があった。このうち、港珠澳大橋香港側イミグレーション施設の事案が計10人以上となり、清掃スタッフ6〜7人を含んでいるとのこと。集合住宅(マンション、宿舎)における感染連鎖も続いている状況で、この日は新たにマンション3棟の住民が強制検査の対象とされた。

 ここまでの香港における累計感染確認数は8238人、退院者数は6910人、死者数は130人。

香港特別行政区のイメージ(資料)—本紙撮影

 このほど英国で感染力が強いとみられる新型コロナの変異種が確認されたことに関して、香港政府は警戒を強めている。香港政府食物衛生局の陳肇始(ソフィア・チャン)局長によれば、香港で直近2週間に確認された輸入性感染確認者の21%が英国からの入境者だったことから、すぐに厳格な水際措置を講じる必要があるとし、12月22日午前0時から英国からの旅客便の香港国際空港への乗り入れ及び過去14日以内に英国内に2時間以上滞在した人(香港居民IDカード保有者含む)の香港国際空港行き航空便への搭乗をそれぞれ禁止することを明らかにした。また、同日以降、すでに英国から香港へ入境した人については、14日間の隔離検疫を終えた後、さらに7日間の自宅における経過観察を必須とし、香港入境から19日後または20日後に2度目のウイルス検査を受け、その結果が陰性となって初めて自由に活動できるようになるとした。この措置に違反した場合、5000香港ドルの罰金が科せられる。

 また、香港政府は現在実施中の集会人数制限(2人まで)、公共エリアにおけるマスク着用義務、レストランにおける午後6時以降のイートイン禁止などを含む各種防疫施策について、2021年1月6日まで延長することも発表。公務員のリモートワーク推奨も継続する。

 このほか、12月18日に九龍・油麻地エリアにある公立総合病院「クイーン・エリザベス医院」の新型コロナ隔離病室に入院していた63歳の男性患者が逃走した事案について、警察が20日夜に男性の身柄確保に成功。男性はすでに元の病院に戻され、治療を再開しており、病院側が隔離病室の外に警備スタッフを配置したとのこと。目下、警察が男性の逃走中の詳しい立ち寄り場所の調査を進めており、衛生当局でも検疫が必要となる密接接触者の有無を確認中という。

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