マカオ司警局と中国公安が合同で越境犯罪グループ摘発…改造した中国本土用カード決済端末マカオへ持ち込みギャンブラー向けキャッシングサービス提供

 マカオ司法警察局は12月29日、中国公安との合同捜査を経てマカオと中国本土を股に掛けて活動していた越境犯罪グループを摘発したと発表。マカオでの逮捕者は30人に上った。

 当該グループは中国本土用のカード決済端末を違法改造してマカオへ持ち込み、マカオのカジノ施設周辺で物色した客に対し、マカオにいながら中国本土での決済のように偽装して違法キャッシングサービスを提供していたとのこと。2016年から活動を開始し、現在に至るまでの総決済金額は約116.2億人民元(日本円換算:約1841億円)で、この中から約6900万人民元(約11億円)の違法な利益を得ていたという。

 マカオ司法警察局は内偵捜査などを進めた後、12月27日に捜査員110人を動員してマカオの関係先31ヶ所に対する一斉摘発を実施。店舗、マンションの部屋、会社事務所などから大量のカード読み取り端末、電子設備、現金、カジノチップを押収するとともに、グループの主犯格1人とメンバー29人を逮捕。中国本土側でも江蘇省、福建省、広東省で大規模な摘発が行われ、メンバー39人を逮捕、大量の銀行ATMカードやカード決済端末が押収されたとのこと。

 マカオ司法警察局では、すでに当該犯罪グループは瓦解したとの見方を示した上、マカオで逮捕した男女30人について組織犯罪及びサイバー詐欺罪で検察院送致するとした。

 こういった事案が出現する背景には、中国本土から海外への現金の持ち出し上限が設定されているほか、マカオは域外扱いとなるため、銀聯カードを使って現金を引き出す際の手数料が中国本土より高く、また上限額が設定されていることなどが挙げられる。

マカオ司法警察局が公開した押収品など(写真:マカオ司法警察局)

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