マカオのカジノ関連事業大手サンシティグループが日本展開進める…宮古島とニセコでリゾート開発、映画・コンサート製作会社も

 マカオなどでカジノ関連事業を展開するサンシティグループ(太陽城集團)は1月5日、2021年の展望を発表。日本関連トピックが複数含まれていた。

 サンシティグループといえば、マカオやアジア各地における大手カジノVIPルーム運営事業者というイメージが強いが、近年では映画や芸能といったエンターテイメント、旅行、飲食、ショッピング、さらにはベトナム・ホイアンでのリゾート開発プロジェクト「ホイアナ」を手掛けるなど、事業の国際化と多角化を進めている。日本の和歌山におけるIR(統合型リゾート)参入にも名乗りを上げたことで知られる。

 サンシティグループが発表した2021年の展望によれば、東アジア地区における版図の拡大として、年内に沖縄の宮古島と北海道のニセコでリゾート開発計画をスタートするとのこと。宮古島のリゾートは「東洋一の美しさ」で有名な与那覇前浜ビーチに位置し、客室数100室のホテルと40棟のプライベートプール付きヴィラで構成。各種ビーチアクティビティも楽しめる施設になるという。落成予定は2023年とした。ニセコのリゾートについては、敷地面積約20ヘクタール、自然環境と調和した各種レジャー施設を建設する計画で、2021年に青写真をまとめる作業を積極的に進めるとのこと。さらに、2021年にはグループのエンターテインメント部門として映画やコンサート製作などを手掛けるサンエンターテイメントカルチャー社の日本子会社も設立するとした。

 このほか、サンシティグループは2020年に極東ロシアのウラジオストックのIR施設「ティグレ・デ・クリスタル」運営会社の単一大株主となった。目下、第1フェーズにおいてもロシア最大のIR施設となっているが、2021年には第2フェーズの拡張工事に着手し、エンターテインメント施設数を現在の2倍に、ホテル客室数を3倍にするとした。2022年後半にプレオープン、2023年のグランドオープンを目指しているという。日本及び韓国との往来が便利な立地にあるため、ロシア国内市場に加え、将来的に日本及び韓国を集客目標に設定する考えを示した。

 2020年のマカオのカジノ市場はコロナ禍で低迷を余儀なくされたが、サンシティグループのアルヴィン・チャウCEO兼ダイレクターは展望の中で、最も難儀な一年が過ぎ去り、新型コロナウイルスワクチンも出現する中、世界経済の回復することが期待されるとし、2021年は力強い発展の年になるだろうとコメントしている。

サンシティグループ(資料)—本紙撮影

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