香港、1/9単日の新型コロナ新規感染確認数59人…1月の最多に、市中で無症状感染者による伝播続く状況か

 人口約750万人の香港では、昨年(2020年)11月下旬から新型コロナウイルス感染症の流行「第4波」が続いている。

 香港政府は1月9日夕方の記者会見で、同日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数が59人だったと発表。内訳は市中感染が53人、輸入性が6人。新規感染確認数は21日連続で2桁にとどまったが、昨年11月21日以来最少(25人)だった1月6日から3日連続で増加し、1月に入って以降で最多に。感染経路不明は20人。このほか、陽性予備群(初歩感染確認者)は20人以上とのこと。

 香港衛生当局は、新規感染確認数が一時の減少傾向を維持できなかったことについて、12月下旬の長期休暇中に感染が広がったことをきっかけに市中で無症状の感染者による伝播が続いている可能性が憂慮されるとし、現時点で今後の情勢の見極めは困難との考えを示した。

 依然として市内各所で集団感染(クラスター)や集合住宅(マンション、宿舎)における感染連鎖も続いている状況。前日、九龍の馬頭角と油麻地を結ぶトンネル工事現場の作業員1人の感染が確認されたが、この日は同じ現場から新たに6人の初歩感染確認があったとのこと。香港当局では、一旦工事を施工業者に対してストップして徹底消毒するよう求めたほか、1月3日から9日の間に2時間以上滞在したおよそ300人に強制検査を実施するとした。別のトンネル工事現場でもクラスター発生例がある。また、新たに市内のマンション2棟が感染者が出現したことから強制検査の対象に。

 ここまでの香港における累計感染確認数は9212人、退院者数は8313人、死者数は157人。

 香港政府は英国や南アフリカで感染力が強いとされる変異種のウイルスが出現したこと、クラスター及び感染経路不明事案が続いていることなどを受け、相次いで防疫措置の厳格化を図っている。飲食店での同席数を2人までとし、夕食時間帯の営業を禁止するなどの現行のソーシャルディスタンス措置を1月20日まで延長。幼稚園、小学校、中学校(日本の中学・高校に相当)は対面授業を見合わせる事実上の休校措置も旧正月休みまで継続することが発表済み。香港では広く検査キットの配布が行われており、検査所も市内各所に設けられている。

香港特別行政区のイメージ(資料)—本紙撮影

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオ司法警察局は4月20日、シンガポールからマカオへ向かう航空機内で別の客の荷物から現金を盗ん…
  2.  マカオ司法警察局は4月18日、架空の詐欺被害をでっち上げたとしてマカオを訪れていた中国人(中国本…
  3.  マカオ政府衛生局は4月19日夜、「人食いバクテリア」と呼ばれる細菌のひとつ、ビブリオ・バルニフィ…
  4.  マカオ政府統計調査局は4月19日、今年(2024年)2月の飲食業と小売業に関する景気調査結果を公…
  5.  4月19日付のマカオ特別政府区公報に「不動産需要管理に関する税制措置の撤廃」法が掲載され、翌日(…

ピックアップ記事

  1.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  2.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  3.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  4.  マカオ国際空港を本拠地とするマカオ航空(NX)が福岡便の運航を(2024年)7月12日から再開す…
  5.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…

注目記事

  1.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  2.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  3.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  4.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  5.  香港国際空港の制限エリア内にある「スカイピア」と港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設との間を港…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年4月号
(vol.130)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun