国際カジノ大手サンズグループ創業者アデルソン氏死去…享年87歳=マカオでラスベガス型IR開発に尽力

 米国ラスベガスに本拠地を置く国際カジノIR(統合型リゾート)開発・運営大手、ラスベガスサンズグループの創業者兼CEOのシェルドン・アデルソン氏が1月11日夜、米国で死去した。享年87歳。死因は非ホジキンリンパ腫による合併症とのこと。

 ラスベガスサンズグループはマカオ事業会社にあたるサンズチャイナを通じて、21世紀初頭のカジノ運営ライセンスの対外開放を機にマカオへ進出。2004年にマカオで初めてとなる本格的なラスベガス型のIR施設「サンズマカオ」をマカオ半島新口岸地区にオープン。また、アデルソン氏が自身の「夢」として新興埋立地のコタイ地区にラスベガスのようなIR集積エリアを創造する「コタイストリップリゾート」構想を打ち出し、大型IR施設「ザ・ヴェネチアン・マカオ」、「フォーシーズンズホテル・マカオ/ザ・プラザ・マカオ」、「サンズコタイセントラル(ザ・ロンドナー・マカオにリブランド予定)」、「ザ・パリジャン・マカオ」を2007年から2016年にかけて相次ぎオープンさせた。

 サンズチャイナ傘下IRの合計ホテル客室数はマカオ市場全体の約3分の1に相当する1.3万室にも達するほか、約1000店の飲食・小売店、複数の多目的アリーナやホール、コンベンション施設などを備え、その規模はマカオでカジノ経営ライセンス保有する6陣営の中でも最大となっている。カジノ売上も6陣営中で上位にあるが、ノンゲーミング(非カジノ)分野の売上が大きいのも特徴で、カジノ一辺倒ではない「IR」ビジネスモデルを体現している。

 サンズチャイナはマカオ時間1月12日夜に発出した公告の中で、アデルソン氏のマカオ及びコタイストリップ開発に対する遺志を継承し、今後もマカオが目指す世界的ツーリズム・レジャーセンターの実現を持続的にサポートしていくとした。

シェルドン・アデルソン氏(資料)=2016年9月、マカオにて本紙撮影

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