マカオ、新型コロナウイルスワクチンの初荷が到着…中国・シノファーム製の不活化ワクチン10万本

 マカオ政府新型コロナウイルス対策センターは2月6日、中国医薬集団(シノファーム)の不活化ワクチンの第1便となる10万本が同日午後マカオに到着したと発表。

 ワクチンは北京で生産されたもので、陸路で約30時間かけてマカオまで運ばれ、すでに輸入に必要な手続きを終えたとのこと。

 同センターでは、今回マカオに到着したワクチンは伝統的な不活化技術を用いて開発されたもので、臨床データにおいて良好な安全性と有効性を示しているとした。マカオ政府衛生局(SSM)では、このワクチンの第3相臨床試験の中期分析総括資料のレビューを終えており、副反応の発生率は高くなく、その大多数が軽微な症状であり、深刻な神経系や死亡につながるような副反応は出現しておらず、すでに中国国家薬品監督管理局が承認し、世界の多くの国で採用されていることなどから、ワクチン使用による効果がリスクを上回ることが確認でき、マカオでの使用を承認するに至ったと説明した。

 SSMの李展潤局長はワクチン受け渡しセレモニーの会場で取材に応じた際、今回到着したワクチンの接種を9日から開始する見通しを明らかにした。最初の接種対象は前線で勤務する医療スタッフを想定しているとのこと。

 マカオ政府では、中国医薬集団(シノファーム)の不活化ワクチンのほか、中国の復星医薬が代理となるドイツ・ビオンテックのmRNAワクチン(生産地:ドイツ、フランス、ベルギーのいずれか)、英国アストラゼネカのアデノウイルスベクターワクチン(生産地:米国)の3種のワクチンを合計140万本を確保しており、順次マカオへ到着予定と発表済み。これにかかる費用は約3.5億マカオパタカ(日本円換算:約46億円)と見込まれている。

 政府はリスク度合いに応じた優先接種を終えた後、全市民(海外労働者と海外出身の学生含む)への展開を予定している。参考までに、マカオの人口は約68万人。なお、ワクチン接種はあくまで希望制であり、費用は無償、在庫がある場合は複数のワクチンの中から自由に選択できることを強調している。

 マカオにおける新型コロナの感染確認数は累計48人。内訳は域外からの輸入性が46人、輸入関連性事案が2人。市中感染例は2月5日まで311日連続ゼロを維持しており、封じ込めに成功している状況。院内感染、死亡例についてもゼロ。

中国医薬集団製の不活化ワクチンの第1便10万本がマカオに到着したことを受けて開催されたセレモニーの様子=2021年2月6日(写真:GCS)

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