香港、3/14の新型コロナ新規感染確認数24人…感染経路不明が15日ぶり2桁台、フィットネスセンタークラスターは累計109人に

 人口約750万人の香港では、昨年(2020年)11月下旬から新型コロナウイルス感染症の流行「第4波」が始まった。

 2月中旬にかけて感染確認者数は増減を繰り返しながらも第4波下では低位にあったが、同月下旬以降は複数の大規模集団感染(クラスター)に端を発する明確な感染者増が見受けられ、一時的なリバウンドで落ち着くのか、第5波に移行するのか、大きな注目が集まっている。

 香港政府の発表によれば、3月14日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数は前日から23人減の24人だった。すべて市中感染で、前日からは19人減。ただし、感染経路不明は6人増の10人で、15日ぶりに2桁台だった。翌日以降に感染確認となる可能性が高い陽性予備群(初歩感染確認者)については20人超とのこと。

 この日の新規感染者のうち10人が近日認知された香港島の西營盤地区にあるフィットネスセンター「Ursus Fitness」におけるクラスター事案に絡むもの(利用客6人、密接接触者4人)。このフィットネスセンター関連の感染確認者の合計は109人に上り、昨年11月下旬から12月にかけて700人以上に及んだダンスホール事案に次ぐ規模にまで拡大している。香港衛生当局によれば、フィットネスセンター事案の感染確認者の大半が3月6日から13日にかけて発症したという。

 ここまでの香港における累計感染確認数は1万1282人、退院者数は1万0754人、死者数は203人。

 香港では、2月26日から新型コロナワクチンの接種計画がスタート。目下、高リスク群を対象とした接種が進められているが、3月9日から対象範囲が拡大された(*別記資料参照)。中国の科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)製の新型コロナワクチンに加え、9日からはドイツ・ビオンテック製のmRNAワクチン「Comirnaty」の接種もスタートしている。いずれも2回接種が必要とされるもの。香港政府発出の資料によれば、13日の新型コロナワクチンの接種者数(1回目の接種)は約1万4200人、13日までの累計は約17万7000人(シノバック製が約14万9200人、ビオンテック製が約2万7800人)とのこと。

3月13日夜から14日朝にかけて香港島中西区の一部で局地ロックダウンが実施された。写真は現場に設営された仮設ウイルス検査場=2021年3月13日(写真:news.gov.hk)

【資料】3月9日から新たに優先接種グループに加わったカテゴリー
・飲食店、市場、スーパーマーケット、コンビニエンス・ストア、配達業者(含むフード・デリバリー)の関係者
・交通機関の職員(タクシー、バス、駅員等)
・建設業関係者
・施設管理の関係者(警備員、清掃員等)
・学校教職員(幼稚園、小・中学校、大学、特別学校、スクール・バス運転手等)
・観光業関係者
・飲食店等各種施設に対する規制に関する規則(香港法令第599F章)に関連する施設の従業員(フィットネスセンター、エステティックサロン等)
*2月26日から優先接種グループに指定されているカテゴリーは保健医療及び感染症対策業務の従事者、60歳以上、老人ホーム及び障害者施設の入居者と従業員、越境運輸及び港湾業務の従事者等

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