中国広東省、6/16の新型コロナ市中感染は4人…すべて広州市内=再流行終息傾向、マカオは深セン市と茂名市の中リスク地域指定を全解除

 中国の南方にあり、香港やマカオと接する広東省、中でも広州市と仏山市において5月下旬から新型コロナウイルス感染症の再流行が続く中、省内各地で厳格な防疫措置が講じられている。

 広東省衛生健康委員会が6月17日朝に発表した内容によれば、16日の省内における新型コロナの市中感染確認数は4人だったとのこと。すべて広州市内で確認されたもの。この日の輸入例は3人、無症状感染例は11人。広東省の累計感染確認報告例は2657人、依然218人が医師による治療を受けている状況という。

 広東省における再流行は近日になって終息の兆しを示している。広東省疾病予防管理センターの馬文軍主席専家は13日、広州における再流行が3週間経過した中、すでに小康状態に入っており、保守的な見通しとして20日以前にも新規感染確認ゼロが達成可能とコメントしており、実際15日には一旦ゼロとなった。

 ただし、リバウンドに対する警戒も高く、広州では局地ロックダウンによる区域内の全住民に対するPCR検査の実施などの徹底した措置が続けられているほか、省内各地の防疫措置についても基本的に維持されている状況。

 マカオにおける新型コロナの市中感染例は440日以上にわたってゼロを維持しており、封じ込めに成功している状況だ。ただし、往来が多い広東省で再流行が出現したことを受け、マカオ政府も矢継ぎ早に水際措置の強化を進めてきた。直近14日以内に広州・仏山両市に滞在歴がある全員を対象としたPCR検査の実施や、マカオ入境時に14日間の隔離検疫の対象となる中リスク地域(*後述)の指定が相次いで拡大されているほか、8日午前10時からは、広東省とマカオの間を往来するすべての人に対し、48時間以内の新型コロナPCR検査陰性証明の提示を必要とする措置が講じられている。これまでのところマカオへの流入は確認されていない。

 目下、マカオでは外地からの新型コロナ流入防止を目的とした厳格な入境制限が維持されているが、中国本土でも概ね状況が落ち着いたことを受けて、昨年7月中旬以降、両地間の往来制限が段階的に緩和された。同年9月下旬までに中国全土で訪マカオ許可(観光ビザに相当)の申請・発給が再開され、一部の「中リスク地域」を除き、新型コロナウイルス核酸検査陰性証明取得などの条件を満たせば隔離検疫なしでの往来が可能となっている。中国本土との往来制限緩和後もマカオでは市中感染ゼロを維持できており、各種防疫対策が機能しているといえる。

 中リスク地域の指定は市中感染例の出現状況に応じて随時アップデートされ、マカオ入境前14日内に滞在歴がある場合、マカオ到着後、政府指定場所(ホテル)で14日間の医学観察(強制隔離検疫)を受けることが必須で、さらに隔離検疫満了後も14日間の自己健康管理期間として個人防疫対策を講じることが求められる。

 今年(2021年)1月から2月中旬にかけて中国北方を中心に市中感染の再発が確認されたため、中リスク地域の指定が相次いだが、その後は状況が好転し、一旦は2月23日までに指定ゼロとなった。しかしながら、最近になって中国の複数地域で市中感染例が出現し、中リスク地域が再設定された。中でも、5月下旬からはマカオから近く、往来も盛んな広東省の主要都市において再流行が続いており、中リスク地域指定の追加が続いた。

 地域指定は社区と呼ばれる基礎行政区画など比較的細かく設定されるが、今年1〜2月には大都市全域が対象となるような例もあった。

 マカオ政府新型コロナウイルス感染症対策センターは6月16日、広東省における最新の状況を踏まえ、同日午後9時付で深セン市と茂名市に複数あった中リスク地域指定を全て解除すると発表。

 マカオ政府が指定した6月16日午後9時時点(現地時間)の中リスク地域は下記の通り。

■広東省広州市:ライ湾区、海珠区、越秀区、番禺区、南沙区、白雲区の永平街道
■広東省仏山市:盈康包裝有限公司宿舍、南海区、禅城区
■広東省湛江市:呉川市覃巴鎮下榕村
■浙江省温州市:平陽県万全鎮

中国広東省広州市内にある高層ビル(資料)—本紙撮影

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