コロナ禍マカオのギャンブル業の人材需要低迷…業界従事者減も平均月給は増=2021年2Q

 マカオは面積約32平方キロ、人口約68万人という小さな地域(中国の特別行政区)だが、およそ40軒のカジノ施設が軒を連ねるほか、競馬、サッカー及びバスケットボールを対象としたスポーツくじ、ロトといった各種合法ギャンブルも存在し、政府とコンセッション(経営権契約)を結ぶ民間事業者によって運営されている。

 マカオ政府統計調査局は8月20日、今年第2四半期(2021年4〜6月期)のギャンブル業(カジノ仲介人、カジノ仲介人パートナーは含まず)における人材ニーズ及び賃金調査統計を公表した。

 今年第2四半期末時点のフルタイムのゲーミング業従事者数は前年の同じ時期から2.9%減の5万5768人。カジノディーラー職に限ると2.8%減の2万4643人だった。

 今年6月のフルタイムのゲーミング業従事者の平均月給(賞与等臨時給含まず)は前年同月から2.1%増の2万3690マカオパタカ(日本円換算:約32.3万円)。カジノディーラー職に限ると3.5%増の1万9950パタカ(約27.2万円)。

 今年第2四半期末時点における空きポジションは前年の同じ時期から31枠増の56枠に。

 求人条件については、要業務経験が44.6%、要高等教育学歴が51.8%。要中国語(いわゆる北京語)と要英語がそれぞれ80.4%、78.6%。

 今年第2四半期の新規雇用者数は466人、離職者数は1016人で、従業員雇用率は0.6ポイント上昇の0.8%、離職率は1.2ポイント上昇の1.8%、欠員率は0.1ポイントとなり、業界における人材需要が依然として低迷している状況が伺える。

 なお、今年第2四半期のマカオの人口は68.25万人(期末)、労働人口は37.70万人、就業人口は37.59万人、総体失業率は2.9%。ギャンブル業従事者がマカオの総人口に占める割合は単純計算で8.2%、就業人口の14.8%となる。平均月収については、今年第2四半期のマカオの就業人口全体の月給中位数である1万5500マカオパタカ(約21.1万円)を大きく上回っている。

 マカオでは、昨年1月下旬以降、新型コロナウイルス感染症の流行に伴う入境制限を含む防疫対策強化等によってインバウンド旅客数の激減が続いているほか、カジノ施設はテーブル数を限定するなどのニューノーマル下での営業を余儀なくされている。昨年通期のカジノ売上は前年から79.3%減の大幅な落ち込みとなったが、中国本土との往来制限緩和を受けて第3四半期以降は復調傾向にあり、今年1〜7月累計のカジノ売上は前年同時期から63.9%増の574.67億マカオパタカ(約7840億円)となっている。

ゲスト及び従業員のマスク着用やカジノ用品の消毒強化といった防疫対策を講じた上で営業を続けているマカオのカジノ施設(資料)=2020年3月(写真:GCS)

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