香港、新型コロナ市中感染確認51日連続ゼロ…輸入性は8人、全員ワクチン接種済み=10/7

 人口約740万人の香港では、昨年(2020年)11月下旬から新型コロナウイルス感染症の流行「第4波」が続いていたが、5月にかけてようやく状況が落ち着き、5月末に終息した。

 6月以降は、上旬に1家族の女性3人の市中感染例、24日と27日にかけて空港での業務に従事する男性1人とその密接接触者の1人、7月2日に検疫用ホテルの清掃作業員の女性1人、11日に空港での業務に従事する男性1人の輸入関連性感染確認例(いずれも当初市中感染例からの変更)、8月5日には建設作業員(感染経路不明、これまで感染確認に至らなかった無症状感染者の再陽性事例)、8月17日に空港ラウンジ職員(感染経路不明、L452R変異株)の市中感染確認があったが、目立ったリバウンドはなく、落ち着いた状況が続いている。

 香港政府の発表によれば、10月7日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数は8人で、すべて輸入性(海外からの入境者)事案だったとのこと。市中感染確認例に限ると51日連続ゼロを維持した。

 患者8人は、パキスタン(4人)、ネパール(3人)、フィリピン(1人)から香港へ到着。全員が新型コロナワクチンを接種済みで、5人がL452R変異株感染だったとのこと。残る3人については、変異株感染の有無を調べる検査の結果待ち。

 フィリピンから入境した患者は、ホームヘルパーとして就労するために入境。香港では、8月末から香港行き航空機搭乗前の陰性証明の取得、ワクチン接種完了、到着後に指定の検疫用ホテルで21日間の隔離検疫を受けることなどの条件でフィリピン及びインドネシアからの主にホームペヘルパー職の受け入れが再開となった。両国から香港へ到着した後に感染確認される例が9月3日以降に相次いで出現している。

 また、ネパールから入境した患者3人は、すべて10月5日にネパール航空RA409便でカトマンズから香港国際空港へ到着。香港の防疫措置規則に違反していたとし、香港衛生当局が7日、同社が運航するカトマンズ出発便を10月20日まで香港乗り入れ禁止処分とすることを発表した。現時点で複数の航空会社が乗り入れ禁止処分を受けている。

 翌日以降に感染確認となる可能性が高い陽性予備群(初歩感染確認者)は10人以下で、市中事案は含まれないという。

 香港における過去14日間(9月23日〜10月6日)累計の新規感染確認は76人で、すべて輸入性事案。ここまでの累計感染確認数は1万2252人(擬似事案1人含む)。

 香港の10月6日午後8時時点のワクチン接種率は67.1%(1回目の接種完了)、63.1%(2回目の接種完了)となっている。累計接種回数は877万2032回、1日あたり接種回数は1万2545回(7日移動平均値1万7940回)。香港ではワクチンが充足している状況で、政府は9月末までに免疫の壁を構築するのに必要とする目標の接種率7割(1回目接種完了)を突破できるとする見通し示していたが、9月以降は接種回数が落ち込む日もあり、ここまで未達成が続いている。70歳以上の接種率が約3割にとどまっていることから、政府が各種接種率向上策を講じて対処中。

 香港衛生当局では、近日の輸入性感染確認例のうち、ワクチン接種を完了している患者も少なくないとし、不要不急の外遊(特に高リスク地域)及び外地における不必要な大型集会やイベントへの参加を控えるとともに、外地滞在中はマスクの着用し続け、個人・環境衛生管理に努めるよう呼びかけている。

香港国際空港(資料)-本紙撮影

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