中国本土、新型コロナ新規市中感染確認166人…河南省と天津市が主、広東省でも2日ぶり出現=1/11

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降も全国的には安定した状況を維持しているが、散発的な市中感染確認例が度々出現している状況。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が1月12日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月11日の中国本土における新規市中感染確認は166人(前日から56人増)だったとのこと。2日連続で3桁台に。内訳は河南省118人(安陽市65人、許昌市41人、鄭州市12人)、天津市33人(津南区28人、西青区3人、河西区2人)、陝西省8人(西安市)、広東省7人(深セン市)。中国本土で市中感染確認例が出現するのは87日連続。市中の無症状感染例についても3日連続出現となり、天津市(津南区)で3人、広東省(深セン市)で1人の計4人。

 香港と陸で接する深セン市では2日ぶりに市中感染確認例が出現し、累計11人)となった。いずれも既知の伝播チェーン上にあるものとされる。天津市では市中で1月8日にオミクロン変異株の伝播が出現(発端は不明)し、すでに累計感染者数は100人超に達した。流出防止のため、市外との往来に厳しい制限が講じられている。しかし、すでに市外への伝播も確認されている。感染確認例が急増している河南省の安陽市について、疫学調査及びウイルスゲノム解析の結果、12月末に天津市津南区から同市へ戻った大学生がきっかけと判明。一方、昨年12月以降に累計およそ2000人規模の感染確認例が西安市ではこのところ新規感染確認数が下落を維持しており、沈静化に向かっている模様。

 1月11日24時時点の中国全土で治療中を受けている感染確認者数は3476人(うち輸入性が1150人)で、重症者は14人(輸入性2人)。無症状の患者724人(輸入性681人)が医学観察下にあるとのこと。

 中国当局は域内における拡散防止と同時に、域外からの流入と院内感染を防止するための徹底した措置を講じるなどして「清零(ゼロ化)」を目指す徹底的な対処を進めてきた。具体的には、局地ロックダウン、全民PCR検査によるスクリーニング、区域を跨ぐ移動の制限、飲食店等の特定業種に対する営業制限等の措置が挙げられる。しかしながら、昨年11月下旬以降、各地で散発的な再流行が断続的に出現。省市区を越えて伝播したものもあれば、一部地域にとどまるものもあり、最初のきっかけとなった感染源もさまざま。

 このほか、マカオ特別行政区では1月11日まで94日連続市中感染確認例ゼロとなった一方、香港特別行政区では昨年末から直近にかけて航空会社クルーをきっかけとした市中におけるオミクロン変異株の伝播チェーンが複数出現し、市中における陽性者の確認が連日続いている。昨年5月末に流行第4波が終息して以降、落ち着いた状態が続いていたが、すでに第5波が始まっているとの見方もあり、各種防疫措置が一気に引き締めとなるなど緊張が高まっている。

中国広東省深セン市の繁華街「東門歩行街(老街)」(資料)—本紙撮影

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