IMF、2022年マカオの経済成長率を15%と予測…2023年は23%、カジノライセンス再入札関連投資増などで

 マカオ金融管理局は1月25日、国際通貨基金(IMF)の専門家代表団による対マカオ4条協議が1月10日から21日にかけてオンライン形式で実施され、マカオ特別行政区の経済金融状況に関する初歩総括がまとまったと発表。

 IMFは初歩総括の中で、今年(2022年)のマカオの経済成長率を15%と予測。カジノライセンス再入札関連増、粤港澳大湾区(広東・香港・マカオグレーターベイエリア)の融合が一層進むことを理由に2023年の成長率予測を23%とし、中期内に長期潜在成長率水準である3.5%へ向けて徐々に回復するとの見通しを示した。また、コロナ禍でマカオ経済が受けたダメージの大きさから、マカオのGDP(域内総生産)がコロナ前水準を上回るのは2025年になる見込み。

 リスクについても言及している。

 マカオの経済回復は安全にインバウンド旅客の再開を図れるかにかかっているとし、新型コロナワクチン接種率のさらなる向上が不可欠であるとした。

 また、マカオ政府が2022年度(1〜12月期)予算に財政引き締め策を盛り込んだことについて、巨大なGDPギャップと下振れリスクが依然存在することを考慮すると、時期尚早であると指摘。財政余力が十分にあることから、中立的な財政スタンスでノンゲーミング経済活動をよりよくサポートすることで、コロナ禍による潜在経済成長に対する長期的影響を緩和できるとした。

 金融政策についても、金融システムの脆弱性を低減、経済回復支援のため、家計債務リスクの監視、倒産、債務処理、再編の枠組みを強化する必要があると指摘。中国本土における不動産セクターへの圧力が続く中、規制面で中国本土との密接な協力を図ることがリスク最小化につながるとした。

 4条協議とは、IMF協定第4条に基づき実施される加盟国・地域の経済政策に関する包括的なコンサルテーションのこと。後日、IMFから今回の協議の内容を反映した詳細レポートが発出される予定。

マカオ歴史市街地区にあるモンテの砦から望む町並み(資料)=2020年4月本紙撮影

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオは長く本格的な鉄道が存在しなかったが、2019年12月に新交通システム「マカオLRT」タイ…
  2.  マカオ政府旅遊局(MGTO)は4月18日、今年第1四半期(2024年1〜3月)のマカオのツーリズ…
  3.  マカオ政府経済・科技発展局は4月17日、昨年第4四半期(2023年10〜12月期)の工業輸出状況…
  4.  マカオ・コタイ地区にあるギャラクシーアリーナで「ITTF(国際卓球連盟)男女ワールドカップマカオ…
  5.  マカオで複数のカジノIR(統合型リゾート)を運営するサンズチャイナ社は4月18日、今年(2024…

ピックアップ記事

  1.  マカオ国際空港を本拠地とするマカオ航空(NX)が福岡便の運航を(2024年)7月12日から再開す…
  2.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  3.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…
  4.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  5.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…

注目記事

  1.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  2.  香港国際空港の制限エリア内にある「スカイピア」と港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設との間を港…
  3.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  4.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
  5.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年4月号
(vol.130)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun