マカオ、カジノディーラーが勤務中にチップ着服…故意に落として靴の中へ隠す手口

 マカオ司法警察局は5月19日、勤務先からカジノチップを着服したマカオ人のカジノディーラー職の女(54)を業務上横領罪で逮捕、検察院送致したと発表。

 警察発表によれば、5月7日にカジノ施設から同局へディーラー職スタッフによる着服があり、責任を追求したい旨の通報が寄せられたとのこと。同月3日午前1時頃、ディーラー職スタッフ1人がバカラのゲーミングテーブルを担当している際、額面1万香港ドル(日本円換算:約16万円)のチップ1枚を着服したのを監視部門のスタッフが発見し、このディーラーは本件が発覚以降出勤していないとの説明があったとした。

 その後の同局の捜査において、被疑者がテーブル上にあったチップを故意に床に落とし、それを足の指を使って挟み、靴の中に入れる一部始終が確認できたという。被疑者はマカオを離れていたが、15日夕方に入境したことがわかり、イミグレーション施設内で逮捕された。

 被疑者は警察の調べに対し、つい出来心で一度だけやってしまったと犯行を認めた上、カネの行方については生活費に充て使い果たしたなどと供述したとのこと。

 マカオのカジノ施設でテーブルゲームに参加する際、現金ではなくチップを使用する。チップは少し分厚いコインのような形をしており、額面によって色やデザインが異なるが、いずれも小さく軽い。1枚10万香港ドル(約163万円)以上の高額チップも存在する。

 チップはカジノフロアにあるキャッシャーと呼ばれるカウンターで額面の現金と交換することができる。つまり、現金そのもの。マカオのカジノでは、しばしばチップを狙った犯罪が発生している。今回の事件のように、ディーラーが勤務中に着服するケースも少なくない。

カジノフロアの監視システムのイメージ(資料)=マカオ理工学院ゲーミングティーチング&リサーチセンターの模擬カジノ施設にて-本紙撮影

カジノフロアの監視システムのイメージ(資料)=マカオ理工学院ゲーミングティーチング&リサーチセンターの模擬カジノ施設にて-本紙撮影

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