香港の新型コロナ新規感染者数228人、12日ぶりピーク期以降の最少更新=5/21

 人口約740万人の香港では、昨年(2021年)12月末から新型コロナウイルス感染症の流行「第5波」が続く。

 2月から3月にかけて、オミクロン変異株亜種BA.2(いわゆる「ステルスオミクロン」)による伝播が主となり、市中における新規感染確認数が急増し、医療崩壊に直面するなど深刻な状況となった。3月下旬以降は緩やかな減少が続いたが、このところは単日200〜300人程度を行き来しており、下げ止まっている。

 香港衛生当局が5月21日夕方の記者会見で発表した内容によれば、同日午前0時時点集計の単日の新規感染確認数は前日から15人減の228人(輸入性16人含む)とのこと。3日連続減、かつ200人台を維持し、12日ぶりにピーク期以降の最少を更新した。500人以下となるのは28日連続。第5波開始以来の累計感染者数は119万7528人。新規の死亡報告数はゼロで、第5波開始以来の累計死亡者数は9157人。

 香港では、4月から段階的に水際措置を緩和したため、このところ輸入性の感染例が連日出現し、人数は30人前後。オミクロン変異株亜種(BA.4、BA2.12.1など)の感染者も相次ぎ見つかっている。

 また、流行状況の安定を受けて、4月中旬から学校の対面授業再開、ソーシャルディスタンス措置の緩和(第一段階及び第二段階)が段階的に進んだ。ソーシャルディスタンス措置の緩和以降、クラスターの発生が相次ぎ、関連感染者数が数十人規模に達した例もあるほか、多くのエリアの下水検査で陽性や高いウイルス量が検測されているものの、目立ったリバウンドは出現していない。

 5月20日午後8時時点の香港の3歳以上の人口におけるワクチン接種率は91.8%(1回目の接種完了)、86.3%(2回目の接種完了)となっている。接種率は昨年後半にかけて伸び悩んでいたが、流行第5波の深刻化、防疫措置の一環としてワクチンパス(所定施設入場時にワクチン接種証明の提示を要する措置)の導入計画発表などを受けて、年初から一気に上昇。ただし、このところは再び頭打ち状態に。20日単日の接種回数(1〜4回目の接種合計)は4万3498回で、7日移動平均は3万1166回。年齢層別の接種率(1回目の接種完了)では、3〜11歳(72.68%)、70〜79歳(80.54%)、80歳以上(66.49%)が大きく平均を下回っており、高齢者に対する訪問接種サービスを展開するなどの接種率向上策が講じられている。

 ワクチン接種に関して、政府は21日、同日から感染歴のない18〜60歳の人に対し、暴露リスクが高い場合または需要のある個人について、4回目の接種を受け付けると発表。60歳以上については、すでに4月上旬から受け付けを始めている。

香港特別行政区のイメージ(資料)—本紙撮影

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