マカオLRTタイパ線、2022年5月の1日平均乗客数は約1700人…前年同月比15%減、低迷続く

(2022/06/06 19:47 配信)

産業・経済

 マカオ初となる本格的な軌道系大量輸送機関として、2019年12月にマカオLRT(Light Rapid Transit)タイパ線が開業した。

 開業当初こそ物珍しさや運賃無料キャンペーンの実施などもあり、多くの乗客で賑わったが、開業2ヶ月目以降はコロナ禍インバウンド旅客減などを受けて利用者数は低迷し、1日あたりの利用客数は事前見通しの2万人を大きく下回る2000人程度という状況が続いていた。

 また、同線では開業以来、故障が相次いで発生していたが、これを抜本的に解決するため、昨年(2021年)10月20日から今年(2022年)4月2日まで、約5ヶ月半にわたって全線で運休し、全線で高圧電線の交換工事が実施され、4月3日に運行が再開された。

 このほど運営会社のマカオLRT社が長期運休からの運行再開後2ヶ月目にあたる今年5月の乗客数データを公表。1日あたり平均乗客数(延べ、以下同)は約1700人で、前月と同数、前年同月からは15%減だった。

 タイパ線はマカオLRT第1期プロジェクトの一部で、タイパフェリーターミナル駅と海洋駅の間の9.3キロメートル、11駅の区間で営業運転を行っている。沿線には陸海空の玄関口のほか、大型カジノIR(統合型リゾート)が密集するコタイ地区、著名観光地のタイパヴィレッジ、高層マンションが建ち並ぶ新興住宅街が存在する。

 マカオでは、コロナ禍で厳格な水際措置が講じられており、隔離検疫免除での往来が可能なのは中国本土との間のみ。よって、インバウンド旅客の大半は中国本土からとなっている状況。ただし、中国本土では散発的に再流行が出現する中、水際措置の強化や省を跨ぐ移動に制限が設けられることもあり、マカオのインバウンド旅客数も本格的な回復には至らず、マカオLRTの乗客数にも一定の影響があったものとみられる。

 このほか、ポジティブ要因として、5月下旬からマカオで広く普及する交通系ICカード「マカオパス」に対応し、利便性が向上した。

 マカオLRT第1期プロジェクトの未開業部分のうち、マカオ半島線(媽閣から西灣湖、南灣湖、新口岸地区、マカオ半島北東部の住宅街を経由して關閘を結ぶ路線)はルート選定が難航するなどしており、本格着工に至っていない状況。目下、タイパ線のマカオ半島側への乗り入れ(タイパ線の海洋駅から西灣大橋を経由して媽閣駅に至る部分)に向けた準備が進むほか、タイパ島北東部にあるマカオ国際空港からマカオ半島東部沖に造成中の埋立地を経由してマカオ半島北端にある關閘を結ぶ全長約9キロの新線計画(東線)もあり、全線地下を走る地下鉄に類する方式で検討が進んでいる。タイパ線の蓮花口岸駅と横琴新口岸前の新駅を結ぶ支線(2駅、約2.2キロ)と蓮花口岸駅付近から分岐する石排灣支線(2駅、約1.6キロ)については着工済み。

マカオLRTタイパ線(資料)=2019年12月10日本紙撮影

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