マカオ、市中の新型コロナ陽性者が21人まで増加…大半がミャンマー人、感染源依然不明、全市民PCR検査実施中

 6月19日未明にマカオで約8ヶ月ぶりとなる市中での新型コロナ陽性が出現し、現地では緊張感が高まっている。

 マカオ政府は同日午後5時(現地時間、以下同)に会見を開き、最新情報を発表した。

 同日午後4時15分時点で21人の陽性者がみつかっており、朝の会見時から9人増となった。内訳は女性が16人、男性が5人で、年齢は8ヶ月〜89歳。8人が症状あり、13人が無症状とのこと。

 21人は大きく2つのグループに分類される。1つ目のグループは、マカオ半島の新橋エリアにあるアパート「艷麗大廈」に絡む17人(同じ部屋に居住する海外労働者(すべてミャンマー国籍)13人、その同一階の別の部屋に居住する1人、マカオ半島南灣エリアにあるレストラン「PADRE Modern Cuisine」に勤務する海外労働者の同僚2人、外国人ホームヘルパーの雇い主1人)。2つ目のグループは「艷麗大廈」と道路を隔てて斜め向かいにあるアパート「達昌大廈」に絡む4人で、このうち1人がコロアン島にある矯正施設に勤務していることから重点PCR検査対象となっており、定期検査受検時に見つかり、その親戚3人についてもPCR検査で陽性が発覚したという。

 これまでの疫学調査を通じ、上述の2グループの間に関連性があることが判明したという。ただし、感染源は依然不明。マカオでは19日正午から48時間にわたり全市民(一時滞在中の旅客含む)を実施しており、衛生当局では、これを通じて新たな陽性者が見つかることが想定され、感染源の特定につながる可能性もあるとした。

 目下、マカオ半島で5ヶ所、タイパ島で1ヶ所の計6ヶ所(ビル単位)が局地ロックダウンの対象となっており、対象内の住民は外出できず、7日間にわたって集中的にPCR検査を受ける必要がある。当局は、今後新たな陽性者が出現した場合、局地ロックダウンの対象が増えることもあり得るとしている。

 マカオでは、これまでにも複数回、市中で陽性者が見つかったことがあるが、マカオ政府は今回が最も深刻な状況とし、人の流動とマスク未着用機会を減らすため、市民に対して不要普及の外出を控えること、飲食店に対してはイートインを取りやめテイクアウトのみの営業にするなどの呼びかけを行っている。また、当面の間、学校は休校とすることが決まっている(一部の学校は全市民PCR検査の会場となっている)ほか、公共部門を20、21日の2日間クローズ(緊急・必需サービスは維持)することも発表済みで、民間企業にも追随するよう求めており、銀行が2日間の窓口閉鎖を発表済み。20日午前0時からは、公共交通機関利用にあたって健康コードが「緑」であること、マスクを正確に着用していることが条件とされる。

 マカオ政府経済財政庁の李偉農長官も会見に出席し、今回の事態を受け、100億マカオパタカ(日本円換算:約1666億円)規模の追加経済支援対策を実施する考えを明らかにした。

 参考までに、マカオの人口は約68万人だが、人口密度は1平方キロあたり2万人超となっており、香港や東京を大きく上回る。今回、多くの陽性者が見つかった新橋エリアは住宅密集地にあたる。

陽性者の出現により局地ロックダウンの対象となったアパート「達昌大廈」の消毒作業の様子=2022年6月19日(写真:マカオ市政署)

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