中国本土の新型コロナ新規市中感染者数は869人…甘粛と広西が約8割、広東は21人で深圳が主=7/23

 中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降は全国的には安定した状況となり、散発的な市中感染確認例が度々出現する程度だったが、今年(2022年)に入って以降はオミクロン変異株及びその亜種(いわゆる「ステルスオミクロン」等)の流入を受け、上海や北京など一部地域で比較的大規模な再流行が発生した。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)が7月24日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月23日の中国本土における新規市中感染確認者数は87人(前日から41人減)だったとのこと。内訳は甘粛省26人、広西チワン族自治区23人、四川省18人、広東省11人、上海市3人、重慶市3人。このうち甘粛省の17人、広西チワン族自治区の9人、四川省の3人、広東省の1人の計30人が無症状から感染確認へ転じた事案。中国本土で市中感染確認例が出現するのは281日連続で、8日ぶりに100人以下となった。

 市中の無症状感染例は782人(前日から188人増)。内訳は甘粛省335人、広西チワン族自治区325人、四川省33人、上海市21人、河南省17人、雲南省15人、安徽省11人、広東省10人、江西省7人、天津市3人、新疆ウイグル自治区3人、遼寧省1人、重慶市1人。

 無症状を含む新規感染者数は869人。

 7月23日24時時点の中国本土で治療中を受けている感染確認者数は1757人(うち輸入性が529人)で、重症者は20人(輸入性ゼロ)。無症状の患者6288人(輸入性465人)が医学観察下にあるとのこと。

 香港・マカオと隣接する広東省では、このところ複数都市で感染者の出現が相次ぐ。23日の感染例は感染確認と無症状合わせて21人で、深圳市(20人)、広州市(1人)からの報告例。マカオの隣に位置する珠海市では7月11日からオミクロン変異株の派生型「BA.5」の流行が続き、累計感染者数は100人超に達したが、近日は新規感染例が顕著な減となっており、ほぼ封じ込めに至った模様。

 このところ多くの感染例の報告が続くのが甘粛省と広西チワン族自治区。前者は蘭州市、後者は北海市に集中しており、いずれも無症状が大半。甘粛省防疫当局は、蘭州市の重点区と郷鎮におけるPCR検査の頻度を維持し、徹底的にリスク排除を図る方針を示している。5月末に長期のロックダウンが解除となり、正常化が進んだ上海市だが、以降も散発的な市中感染の出現が相次ぐ。23日の感染例はすべて隔離対象の中から発見に至ったケース。他にも各地で再流行が散発しており、ウイルス型もさまざま。

 中国本土の状況は総じて落ち着いている一方で、香港ではソーシャルディスタンス措置の第二次緩和後に市中感染確認数の緩やかなリバウンドが続き、直近では3〜4千程度(輸入性含む)となっている。マカオについては約8ヶ月にわたって市中感染確認数ゼロを維持してきたが、6月18日深夜から陽性者の出現が相次ぎ、23日午前0時までの累計は1805人に。感染力が強いオミクロン変異株派生型のBA.5.1であることから、全市民を対象とした高頻度のPCR検査及び迅速抗原検査によるスクリーニングと準ロックダウンともいえる”社会相対静止”(7月11日〜22日)といった極めて厳格な防疫措置を講じて対応した結果、市中における陽性者は減少傾向を維持。21日には一旦ゼロとなったが、23〜29日までをコンソリデーション期として引き続き厳格な防疫措置を維持し(”社会相対静止”から一部緩和にとどめる)、ゼロコロナ状態をより確実なものとすることを目指している。

中国広東省広州市内にある高層ビル(資料)—本紙撮影

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