マカオのタクシーがグランプリサーキット設営中の一般公道を爆走…SNS投稿きっかけで警察動く

 マカオでは、年に一度のモータースポーツの祭典「マカオグランプリ」のシーズンが近づいている。

 マカオグランプリといえば、市街地の一般公道を転用した全長6.2kmの「ギアサーキット」で行われるのが特徴だ。今年(2022年)の第69回大会は11月17〜20日にかけて開催予定で、すでにガードレールやフェンス、観客席などの設営作業が進んでおり、サーキットの雰囲気を感じることができる。

 正式なサーキットとなるのはレース期間中の指定時間内のみで、それ以外は一般公道のため交通法規に従って運転する必要がある。たとえサーキット仕様になっていようとも、制限速度標識に従う必要があり(グランプリコースに転用される一般公道区間の場合、最高でも時速60キロ)、一般車両がレーシングカーのような猛スピードで運転をすることはご法度となっている。

 マカオ治安警察局は10月26日、グランプリコースに転用される一般公道区間で3度にわたって時速100キロ以上で走行したとして、マカオ人の30代のタクシー運転手の男を危険運転罪で検察院送致したと発表。

 同局によれば、同月16日に中国本土のSNS上で中国本土の男性3人がマカオのタクシーに乗車してグランプリ時にサーキットとなる公道を異常なスピードで走る動画を発見したため、当該運転手を出頭させたとのこと。また、公共エリアの監視システム「天眼」とタクシーモニタリングシステムを活用した調査で、友誼大馬路(レース時に最もスピードの出る区間)で3度にわたって速度超過があり、いずれも時速100キロ超だったことが確認されたという。運転手は警察の調べに対して犯行を認めた上、乗客の求めに従ったルートを走ったが、運転中はスピードを気にしていなかったなどとする供述を行ったとした。

 同局では、マカオの道路環境は複雑であり、歩行者と道路交通の安全を保障するため、運転者は道路法規の遵守を自覚し、スピード違反等の行為をしないよう呼びかけた。

サーキット設営中のマカオ・友誼大馬路の様子(資料)=2021年11月本紙撮影

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