マカオの単日インバウンド旅客数が9万人突破…2日連続コロナ後最多更新

 長くゼロコロナ政策を堅持し、厳格な水際措置を講じてきたマカオだが、昨年(2022年)12月から政策転換が進み、今年(2023年)1月8日にウィズコロナへ完全移行するに至った。

 これと同時並行で水際措置の大幅緩和も進んだ。隔離検疫は撤廃され、中国本土、香港、台湾から入境する場合はいかなる新型コロナ検査証明も不要に。海外からについてもPCR検査陰性証明を迅速抗原検査(セルフ検査)陰性結果で代用できるようになっている。

 近日は地理的に近い中国本土及び香港からの旅客を中心に、インバウンド旅客数が急回復している状況。中国本土でも事実上のウィズコロナへの転換が進み、マカオとの相互往来にあたり新型コロナ絡みの手続きが全く必要なくなった。香港ではマカオから入境する場合の水際措置は従前から緩和が進んでおり、マカオの政策転換を受けてマカオ〜香港間の交通機関も相次ぎ再開している。

 マカオでは、年間最大の書き入れ時となる春節(旧正月)シーズンを迎えている。状況が一変して以降で初めての春節となり、インバウンド旅客数がどの程度まで回復するかが注目される。

マカオで1月24日夜に開催された春節祝賀パレードの様子(写真:GCS)

 マカオ政府旅遊局(MGTO)は1月25日、同月24日(旧暦の新年3日目、中国本土の春節ゴールデンウィーク4日目にあたる)の単日インバウンド旅客数が9万0391人に上り、前日(7万1678人)に続いて2020年に新型コロナの流行が始まって以来(マカオで水際措置が強化された2020年1月26日以降)の最多を記録したと発表。

 このうち中国本土からの旅客が5万3244人、香港からの旅客が3万2210人。総数に占める割合は前者が58.9%、後者が35.6%。

 春節GW4日目まで(1月21〜24日)の累計では、総インバウンド旅客数が24万4664人、単日平均は前年春節GWの同時期から276.9%増の6万1166人で、当局による事前予想の4.7万人を大きく上回って推移している。特に香港からの旅客数の増が際立っており、単日平均は2541.7%増の2万2982人。また4日間の単日平均旅客数は12月から387.0%に。普段、マカオのインバウンド旅客数に占める割合は中国本土が約8割、香港が約1割であることを考慮すると、香港旅客の急伸が今年春節GWのインバウンド旅客数を大きく底上げしている状況といえる。

 マカオでは、数々の春節祝賀イベントが開催されている。24日は初開催の旧市街地のメインストリート「新馬路」を歩行者天国とする「新馬路任我行」が終日、夜には電飾で彩られた山車が巡回する春節祝賀パレードと花火大会が開催され、いずれも会場は多くの人出で賑わった。イベント以外の主要観光スポット周辺やカジノIR(統合型リゾート)についても明瞭な人流増が確認された。

 なお、MGTOは1月24日にインバウンド旅客数がピークを迎えるとの事前予測を示していた。春節GWも折り返しとなり、残りは3日間となる。中国本土の連休は27日まで、香港では25日までとなる。

 マカオで新型コロナの影響が生じたのは2020年春節の直前のこと。参考までに、コロナ前2019年の春節GW7日間の総インバウンド旅客数は121万3487人で過去最多、単日平均は約17.3万人だった。

マカオで1月24日夜に開催された春節祝賀花火大会の様子(写真:GCS)

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