マカオLRTタイパ線のマカオ半島乗り入れが年内にも実現か

 マカオ初となる本格的な軌道系大量輸送機関として、2019年12月に新交通システムのマカオLRT(Light Rapid Transit)タイパ線が部分開業した。

 現在、タイパ線はタイパフェリーターミナル駅と海洋駅の間の9.3キロメートル、11駅の区間で営業運転を行っており、沿線には陸海空の玄関口のほか、大型カジノIR(統合型リゾート)が密集するコタイ地区、著名観光地のタイパヴィレッジ、高層マンションが建ち並ぶ新興住宅街が存在する。ただし、路線がタイパ島とコタイ地区内で完結しており、マカオ半島との連絡が不便な状況で、利用客数低迷との関連も指摘されている。

 当初計画では、海洋駅から西湾大橋(2005年に開通した既存のものだが、鉄道敷設を想定した2層構造で建設されている)を通ってマカオ半島南部の媽閣駅に至るまでのルートがタイパ線であり、早期の全線開業が期待される状況。

 未開業部は1駅分。目下、媽閣駅の建設工事が進められているが、このほど公表された工事進捗資料によれば、来月(3月)にも竣工予定であることがわかった。同工事は2018年に着工し、2022年11月に竣工する予定だったが、コロナ禍や天候等による理由でやや遅延が生じた。駅が竣工した後、試運転などを経て年内にも開通が実現するものとみられる。

 媽閣駅は著名な世界遺産「媽閣廟」のすぐ南側にあり、LRT駅のほか、バスターミナル、タクシー乗り場、観光バス乗り場、公共駐車場などで構成される交通ハブとして計画された。すでにバスターミナルと公共駐車場はオープンしており、LRTの開通と前後して本来のハブとしての役割を果たすと予想される。

 媽閣駅からマカオ半島の中心部や西部を通って半島北部の交通の要衝である關閘へ至る路線の計画もあるが、具体化には至っていない。その他、タイパ線の途中駅から分岐する石排灣支線、横琴支線は工事が進んでおり、タイパ線のタイパフェリーターミナル駅から先を新興埋立地の地下を通って關閘へ至る東線は建設工事の入札が行われたばかり。

マカオLRTタイパ線(資料)=2019年12月10日本紙撮影

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