マカオ、2022年の犯罪件数は9799件…4年来最少、コロナ禍インバウンド旅客減と関連

 マカオ保安庁は3月3日に会見を行い、黄少澤保安長官らが昨年(2022年)犯罪統計及び法執行状況の総括レビューを発表。

 同庁発表資料によれば、昨年のマカオにおける総犯罪件数は9799件で、前年から1577件減。2019年以来で最少となった。新型コロナの影響が生じる前にあたる2019年は1万4178件に上っており、これと比較すると30.9%の大幅減。

 黄長官は、大半の犯罪種別で明瞭に件数が減少し、マカオ全体として安定的で良好な治安情勢を維持しているとの見方を示した。また、昨年の犯罪件数の減少要因として、新型コロナ流行の影響によるインバウンド旅客数の減と経済活動の縮小、さらには警察当局が犯罪抑止及び取り締まり強化体制を維持したことを挙げた。参考までに、昨年通期のインバウンド旅客数は前年比26.0%減、2019年比85.5%減の570万0339人。

 なお、今年に入って以降、事実上のウィズコロナへの転換を受けて水際措置が大幅緩和となった。今後の見通しについて黄長官は、通関人数の増と各種経済活動の正常化が進むことが予見される中、マカオの社会治安に多くの不確定要素をもたらすことは否定できず、犯罪件数は一定程度増加し、犯罪手法などについても変化が生じる可能性もあることから、周辺地区の警察当局との情報交流と協力を強化し、積極的に犯罪抑止プロモーションを展開、また社会状況の変化に対応した法執行を進めることで、マカオ社会の繁栄と安定を護る所存とした。

マカオ保安庁による記者会見の様子。中央が黄少澤保安長官=2023年3月3日(写真:GCS)

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