マカオナンバーの自家用車、中国・横琴への乗り入れ来年にも実現か

マカオ政府金融管理局とマカオ保険公会などが11月16日、自動車保険やペンションファンドに対する理解を深めるためのイベント「2014保険日」をタイパ島で開催した。

マカオでは、コタイ地区に隣接する広東省・珠海市横琴新区へのマカオナンバーの自家用車の乗り入れが計画されているが、その時期や保険制度などの詳細は未定となっており、市民の関心事となっている。イベントに出席したマカオ保険公会の姜宜道会長は、来年(2015年)にも乗り入れが実現するとの見方を示した。また、乗り入れに際して中国本土の自動車保険に契約する必要があるとし、広東省サイドと詳細を詰めているところだという。中国本土の自動車保険は、第三者保険と呼ばれる対人、対物保険で年間契約料は1500人民元(日本円換算:約2万9000円)程度。保険の内容はマカオと同等というが、マカオより割高となる。

横琴新区はマカオ・コタイ地区と珠江の河口の一部にあたる十字門水道を隔てて対岸に位置しており、中国が粤港澳(ユッゴンオウ=広東省・香港・マカオ)一体化のシンボルとして、香港とマカオ・広東省珠海市を結ぶ世界最大の架橋プロジェクト「港珠澳大橋(ホンコン・ジュハイ・マカオブリッジ)」と並ぶ「国家級」プロジェクトとして開発を進めている。面積はマカオのおよそ4倍あり、グローバル企業の華南地区本部、レジャー施設、漢方薬研究施設、教育機関などの誘致を目指している。

今後、横琴新区の周囲にバリアを設け、中国本土との間に新たなボーダーを設置する。その際、マカオと横琴新区の間のボーダーは簡略化されることから、マカオと横琴新区の間の往来が容易となる。自動車の乗り入れについては、マカオナンバーの自家用車のみが対象で、マカオの二輪車、商用車は対象外。また、中国本土ナンバーのマカオへの乗り入れはできない。現在、マカオから中国本土への乗り入れについては、専用のナンバープレートが必要で、獲得するためには中国本土への投資実績などの要件が設けられている。香港と珠海、マカオを結ぶ港珠澳大橋開通時も、香港及び中国本土ナンバーの自動車によるマカオ乗り入れは原則なしという方向だ。その最大の理由は、マカオの面積が他と比較して極端に小さいことによるキャパシティ不足。マカオの面積は山手線の内側の約半分にあたる約30平方キロメートルしかない。

なお、マカオの道路は左側通行で、自動車は右ハンドルと、日本と同じ。一方、中国本土では右側通行、左ハンドルとなるため、事故リスク要因になる得るとされるが、姜宜道会長によると、それを理由に保険料が割高になることはないだろうという。

マカオのナンバープレート(参考イメージ)—本紙撮影

マカオのナンバープレート(参考イメージ)—本紙撮影

関連記事

Print Friendly, PDF & Email

最近の記事

  1.  マカオ政府経済・科技発展局は4月17日、昨年第4四半期(2023年10〜12月期)の工業輸出状況…
  2.  マカオ・コタイ地区にあるギャラクシーアリーナで「ITTF(国際卓球連盟)男女ワールドカップマカオ…
  3.  マカオで複数のカジノIR(統合型リゾート)を運営するサンズチャイナ社は4月18日、今年(2024…
  4.  マカオ政府衛生局(SSM)は4月17日夜、マカオで今年(2024年)4人目となる在郷軍人病(退役…
  5.  マカオ・コタイ地区にあるギャラクシーアリーナで「ITTF(国際卓球連盟)男女ワールドカップマカオ…

ピックアップ記事

  1.  マカオ国際空港を本拠地とするマカオ航空(NX)が福岡便の運航を(2024年)7月12日から再開す…
  2.  マカオ政府旅遊局(MGTO)が国際旅客誘致策の一環として今年(2024年)1月1日から実施してい…
  3.  マカオの新交通システム「マカオLRT(澳門輕軌)」タイパ線の媽閣駅延伸部が12月8日に開業。マカ…
  4.  豪華絢爛な大型IR(統合型リゾート)を中心としたカジノが目立つマカオだが、実は競馬、サッカー及び…
  5.  マカオ・コタイ地区にある大型IR(統合型リゾート)「スタジオ・シティ(新濠影滙)」運営会社は1月…

注目記事

  1.  香港国際空港の制限エリア内にある「スカイピア」と港珠澳大橋マカオ側イミグレーション施設との間を港…
  2.  日本の三菱重工業は2月29日、マカオ政府公共建設局(DSOP)から、マカオLRT(Light R…
  3.  去る12月23日夜、日本の歌手・近藤真彦さんがマカオ・コタイ地区にある統合型リゾート「MGMコタ…
  4.  日本政府は8月22日、早ければ同月24日にも東京電力福島第一原発におけるALPS処理水(以下、処…
  5.  マカオは面積約30平方キロ、人口約68万人の小さな街だが、コロナ前には年間4000万人近いインバ…
香港でのビジネス進出や会社運営をサポート

月刊マカオ新聞

2024年4月号
(vol.130)

マカオに取材拠点を置くマカオ初、唯一の月刊日本語新聞「マカオ新聞」。ビジネスと観光、生活に役立つ現地マカオ発の最新トピックを月刊でお届けいたします。記事紹介及び閲覧はこちらへ。

ページ上部へ戻る
マカオ新聞|The Macau Shimbun